「JIN-仁」「JIN-仁-完結編」に登場する医療用語解説

JIn-仁-医療用語 ドラマ
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「医は仁ならざるの術,務めて仁をなさんと欲す」

これは「医を仁術たらしめるためには、文献のみならず自らの経験と先輩や同僚の意見、なによりも患者から学ぶ謙虚さが必要である」という意味ですが、それを見事に表現したドラマが「JIN-仁」です。

この記事では、「JIN-仁」「JIN−仁−完結編」に登場し、現代以外の礎ともなっている医療用語について解説しています。

ほんの一瞬、江戸にタイムスリップしてくださんし。

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「JIN-仁」「JIN-仁-完結編」に登場する医療用語

引用:https://www.tbs.co.jp/jin2009/top.html

ア行

アンビューバッグ

患者の口と鼻から、マスクを使って他動的に換気を行うための医療機器のこと。別名「バッグバルブマスク」と言いますが、デンマークのアンビュー社の製品が知られているため、アンビューバッグという呼び方が一般的です。

登場回

完結編最終回 前編

坂本龍馬(内野聖陽)の脳挫傷の手術は成功したものの、いまだ意識は戻らず自発呼吸もないため、南方先生、咲(綾瀬はるか)、佐分利先生(桐谷健太)の3人が、夜通しアンビューバッグで人工呼吸を続けた。

胃潰瘍穿孔

胃の粘膜に潰瘍ができる病気が「胃潰瘍」ですが、悪化して胃に穴があき腹膜炎を併発している状態のことを「胃潰瘍穿孔」と言います。

登場回

第6話

南方先生は触診で、医学館の福田(佐藤次郎)が胃潰瘍穿孔で腹膜炎を併発していると判断し、緊急手術をすることに。胃の穴は「体毛」というひだを使って穴を塞ぐという。

胃洗浄

胃の中にたまった薬物などを取り除くために、胃の中にチューブを挿入して直接胃を洗浄すること。

登場回

完結編第2話

皇女和宮(黒川智花)が食べた安道名津(あんドーナツ)に、ヒ素が盛られていた。南方先生は大急ぎで「胃の腑を洗う」と言い、和宮の胃洗浄を行い、事なきを得た。

岩(癌)

現代の「癌」のこと。特に乳癌は「固いしこり」という自覚症状がある場合が多く、昔の人たちは「岩(いわ)」と呼んでいました。

登場回

◆第9話~最終話 

野風(中谷美紀)が左乳房の脇にしこりを発見する。第9話では、自覚症状が「しこり」のみだったが第10話では「乳頭分泌」も見られた。

乳癌(乳岩)については当時の外科医「華岡青洲」が、にトリカブトの成分から作った通仙散(つうせんさん)という薬を使って、全身麻酔で手術を行った記録がある。

◆完結編第7話

野風の左わきのリンパ節に10個のしこりがあり、転移性乳がんだと思われた。咳や息苦しさの症状も見られるため肺転移の可能性も高く、もはや手の施しようがない。

エーテル麻酔

揮発性の高い「ジエチルエーテル」という薬品を、患者の顔を覆ったガーゼのマスクに垂らして気化させる麻酔方法。

当時はほかに有効な麻酔方法がなかったため、ドラマの手術シーンでほぼこの麻酔が使われています。

江戸患い

現代の「脚気(かっけ)」のこと。症状は「手足のしびれ」「動悸・息切れ」「つま先があがらない」「感覚が麻痺する」など。

当時の食生活は一汁一菜が基本で、ご飯ばかり大量に食べ、おかずの量も数も少なかったことからビタミンB1不足が原因の疾患。悪化すると「衝心脚気(しょうしんかっけ)」となり心不全で死に至る怖い病とされていました。

現在はビタミンB1の点滴でほとんど改善されますが、当時は食事治療しかなかったため、芋、豆、玄米、米ぬかなどを摂取し体力の回復を図るしか手立てがなかったといいます。

登場回

完結編第1話

咲(綾瀬はるか)の母、えい(麻生祐未)が罹患。状態は悪く、このままでは「衝心脚気(しょうしんかっけ)」の可能性も高かったが、咲や南方先生に対する反発から治療を拒否。

栄が甘いものが好きだったことを思い出した咲は、南方先生と一緒に、玄米や黒糖、卵、小麦粉などを混ぜて油で揚げた「道名津(どーなつ)」を作り母に食べさせようと考える。

ORS

塩と砂糖を混ぜて作った経口補水液。現在市販されているオーエスワン(OS-1)やスポーツドリンクのポカリスエットがこれに当てはまります。

登場回

第1話・第2話・第3話

当時の江戸はコレラ菌(通称:コロリ)が流行し、10万人以上の死者を出した恐ろしい流行り病が蔓延していたが特効薬はなく、嘔吐や下痢での脱水を補うには、ORSを口から摂取すること、もしくは生理食塩水を点滴し、コレラ菌が体内から排出されるのを待つしかなかった。

カ行

カニューラ(カニューレ)

JIN-仁-
気管からカニューラ

心臓や血管、気管などに挿入する太めの管のことです。ちなみに英語がカニューラで、ドイツ語がカニューレです。

登場回

第8話

江戸が大火事に見舞われる。火消しの一人がやけどを負い息が苦しそうだ。南方先生の見立ては気道熱傷により気道が塞がり呼吸ができない状態という。すでにチアノーゼも出ているため気管切開して穴をあけ、気管内に直接カニューラを挿入し気道を確保する処置を行った。

キシロカイン

世界で最も広く使用されている局所麻酔薬のこと。現在は、液剤、ゼリー、点眼液などがありますが、粘滑性のゼリーは尿道麻酔や気管内挿管をするのに適しています。

登場回

第1話

喜一(伊澤柾樹)の母、タエ(戸田菜穂)が馬に蹴られて額がぱっくり割れて意識がないが、脳震盪をおこし気を失っているだけだという。

南方先生は傷の手当てをするため、咲に「手術道具一式を持ってきてほしい」と頼むが、うっかりして「キシロカイン」を忘れてしまう。出血量を考えると一刻の猶予もないため、麻酔なしでの処置が始まる。

気道熱傷

火災や爆発事故により高温の煙、水蒸気、有毒ガスなどを吸いこむことによって生じる、呼吸器系の障害全般を指します。

外見ではわかりませんが、口や鼻の周囲にやけどがある、鼻毛が焦げているなどの所見や、ススの混じった痰、嗄声(しわがれ声)、喘鳴(ヒューヒューといった呼吸音)などがある場合は、気道熱傷を強く疑います。

キレート剤

有害な重金属を体外へ排出するための薬剤のこと。キレート剤を使った治療のことを「キレーション療法」と言います。

登場回

完結編第5話

歌舞伎役者、澤村田之助(吉沢悠)の兄弟子・坂東吉十郎(吹越満)は「鉛中毒」に冒されていたが、当時は鉛を体の外に出す薬(キレート剤)がなかったため、しらす干しやゆず、塩化カルシウムなどでビタミンCやカルシウムを補いぐらいしか手立てがなかった。

硬膜下血種(急性・慢性)

急性硬膜下血種は、頭部のケガなどが原因で脳挫傷となり、頭蓋骨の下にある硬膜と脳の間に血液が溜まっている状態のことです。

一方、ケガをした直後ではなく、2週間から3ヶ月程経ってから同様の症状があらわれるのが慢性硬膜下血種の特徴ですが、いずれにしても手術で血腫を取り除き、脳への圧迫を解除する必要があります。

登場回

第4話

吉原遊郭「鈴屋」のおやじさん(六平直政)は、慢性硬膜下血種の疑いがあったが、脳腫瘍や脳梗塞の可能性も捨てきれず、開頭してみなければわからない。意を決して1か所開頭するも血種は見当たらず、2か所目で血種を突き止めた。

コッヘル鉗子

JIN-仁-

外科手術で使用する止血用の鉗子のこと。ペアン鉗子とよく似ていますが、先端にかぎ状の突起があるのがコッヘル鉗子、無いのがペアン鉗子です。

コロリ(コレラ)

世界に広く分布する細菌性の感染症の一つで、コレラ菌が小腸に定着して作り出したコレラ毒素によって起こる急性腸炎のことです。

潜伏期間は12時間~5日程度で、発熱や痛みを伴わない水様性下痢と嘔吐が突然現れます。重症の場合は下痢によって1時間に約1リットルもの水分と塩分が失われるため脱水症状を引き起こし、けいれんやショック状態により命を落とすことも稀ではありません。

登場回

第1話・第2話・第3話

当時の江戸にとってコロリは死の病であり、かかったら最後、この世の終わりだと認知されていたが、南方先生が水ではなく「ORS」を普及させると共に、消毒を徹底し感染予防を伝えることで「コロリは治る病気」として医学会を牽引するきっかけとなった。

サ行

出血性ショック

ケガや消化管などからの出血によって体内から大量の血液が失われ、ショック状態に陥ること。時間経過とともに意識障害、呼吸障害と進むため、一刻も早い処置が必要な状態。

登場回

完結編第1話

当時、100年に一度の天才と呼ばれていた蘭学者「佐久間象山」が何者かに襲われ瀕死の重傷だという。南方先生は、その治療のために乾燥させた「ペニシリン」を持って駆けつけるが、出血性ショックのため意識がなく、生きているのも不思議なくらいだった。

植物状態

頭部のケガなどで脳が損傷したり、心停止や呼吸停止などで脳への酸素供給が絶たれた状態のことです。思考と行動を司る大脳は機能しませんが、生きていくための機能が集中している「脳幹」は働いているため自発呼吸があり、回復の見込みも捨てきれません。

南方先生の恋人・未来みき(中谷美紀)に脳腫瘍がみつかり、南方先生が手術を執刀しますが失敗し、植物状態となっています。

心臓マッサージ

心臓が正常に動かず血液を送り出せない状態の時に「胸骨圧迫」を実施することで、血液を循環させる方法。

心臓が停止してから3分以内に脳細胞の壊死が始まり、一度壊死した脳細胞は元に戻らないため、一秒でも早く胸骨圧迫を開始し、体に残った酸素を脳に送ることが必要です。

登場回

完結編第1話

出血性ショックで意識がない蘭学者「佐久間象山」の心の臓(心臓)がいよいよ停止。南方先生はすかさず心臓マッサージを施すが、当時はそのような医術はなく、周りの医者達はポカンとして、その不思議な光景を見守るしかなかった。

スプーンネイル

爪(爪甲)がスプーンのように反り返った状態のことで、鉄欠乏性貧血の場合に良くみられる症状です。

登場回

完結編第4話

南方先生は幕府筋からの依頼で、川越藩主の妻・恵姫(緒川たまき)の、左耳の後ろにある「こぶ」を治療して欲しいと頼まれるが、一目見た途端、爪がスプーンネイルであったため、すがさず貧血を疑う。

生理食塩水

人間の体液とほぼ同じ成分に調製された水溶液で、蒸留水に9gの塩化ナトリウムを加えたものです。南方先生はこれを点滴に用いて脱水症状を緩和したり、傷や粘膜の洗浄にも使い医学界に定着させました。

そう毒(梅毒)

「梅毒トレポネーマ」と呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気。症状は進行具合によって1〜4期に分けられますが潜伏期間があり、感染から3週間ほど経ってから症状があらわれるのが一般的です。

現代は、ペニシリンの誕生で死の病ではなくなったものの、近年増加傾向にあり社会問題となっています。歴史は繰り返す…んですね。

登場回

第5話

野風(中谷美紀)の先輩花魁にあたる夕霧(高岡早紀)が梅毒に冒されて、見た目も憚られる状態だという。すでに幻覚も現れているため末期の症状と思われた。

ペニシリンさえあれば助けられることが分かっている南方先生は、「青かびになたね油を入れて攪拌させて成分を抽出する」という原始的な方法でペニシリン製造に乗り出す。

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タ行

大腿静脈

股の付け根の内側にある太い静脈のこと。

登場回

第3話

南方先生がとうとうコロリに罹患する。下痢・嘔吐はもちろんのこと、脱水が進みけいれん発作も見られる。咲(綾瀬はるか)は南方先生に教えてもらった、大腿静脈から直接生理食塩水を注入する方法を思い出し見よう見真似で実施、先生を救う。

胎児様腫瘍

「胎児様腫瘍」は文字通り胎児の形をした腫瘍のことで、医学的には「胚細胞腫瘍」とも呼ばれていますが、このドラマでは実際の症例もある「バニシング・ツイン」をテーマにしています。

「バニシング・ツイン」とは、もともと双子だった胎児が何らかの理由で片方だけ育たず、母体に吸収されたものの、胎児の元となる「胚」だけがもう一方の胎児に宿ってしまうという、限りなく稀な現象です。

チアノーゼ

くちびるや指先などの皮膚や粘膜が青紫色になる状態のこと。医学的には、末梢動脈内の還元型ヘモグロビンが5g/dL以上になると現れると定義されています。

登場回

第8話

江戸が大火事に見舞われ、火消しの一人が重度のやけどを負ったが、息が苦しそうですでにくちびるにチアノーゼも見られる。気道熱傷で一刻の猶予もないと判断した南方先生は、気管切開して気道を確保する手術を行った。

痛風

「尿酸」という物質が関節の中に溜まって結晶化し、関節に強い痛みを引き起こす病気です。

通仙散(つうせんさん)

江戸時代の外科医・華岡青洲(はなおかせいしゅう)が開発した全身麻酔薬のこと。華岡は、通仙散の臨床実験によって妻が失明したり、実母が死去するなどの失敗を重ねたにもかかわらず、調合をやり遂げ日本初の全身麻酔での手術を成功させました。

登場回

第9話

野風(中谷美紀)は岩(乳がん)にかかっている可能性が高いが、南方先生はしこりだけでは岩と断定することができないと消極的。当時は、華岡青洲率いる「華岡流」が岩(乳がん)についての研鑽を深めていたものの部外者には一切秘密にされていた。

ただし「仁友堂」の佐分利(桐谷健太)は江戸に来る前に華岡流で学んでおり、岩について書かれた秘伝の論文を南方先生に差し出したことがきっかけで、通仙散を使って野風の手術に踏み切る。

天然痘

天然痘ウイルスによる感染症。伝染力が非常に強く、当時は「死に至る病」として恐れられていましたが、蘭方医・緒方洪庵らによって伝えられた日本初のワクチン「種痘」のおかげで患者数が減少、1980年5月以降、世界全体でも天然痘患者は発生していません。

帝王切開

お母さんもしくは胎児に何らかの問題が生じ、自然分娩が難しいと判断された場合に、手術で赤ちゃんを取り出す方法。

登場回

完結編第7話

乳がんの末期で妊娠中の野風(中谷美紀)が産気づき自然分娩を試みるも、胎児が逆子でなかなかお産が進まない。帝王切開をしたくても通常の麻酔薬では胎児に影響があるため使えない。

本来なら子供はあきらめて母体を優先させるべきだが、南方先生は野風の意思を汲み「麻酔なしの帝王切開」に挑む。

トリアージ

災害などでに多数の傷病者が同時に発生した場合、緊急度や重症度に応じて適切に処置するために、治療の優先順位を決めること。

ただし当時は、トリアージの意味を深く理解できず、「可哀そうだから赤にして早く治療してあげよう」などと感情に流されるケースも多々あったようです。

登場回

第8話

江戸が大火事に見舞われ、町はやけどの患者や煙を吸い呼吸困難になっている町民で溢れかえっていた。南方先生は黒・赤・黄色・緑の布を用意し、細く割いて患者の手足に巻き付け、

  • 赤:緊急に治療が必要
  • 黄:状態が安定していて、少しなら待てる
  • 緑:待機できる
  • 黒:死亡

と指示し、テキパキと患者の治療を行った。

◆現代のトリアージタグ

ナ行

鉛中毒

鉛や鉛の粉じんなどを多量に摂取したことによる中毒症状。人間の体にもともと備わっている解毒作用を最大限に発揮させるための栄養素として、ビタミンCや亜鉛、またカルシウムが有効であると報告されています。

登場回

完結編第5話

歌舞伎役者、澤村田之助(吉沢悠)の兄弟子・坂東吉十郎(吹越満)は、「レイノー症候群」に冒されていて、手と足の指はすでに潰瘍化していた。南方先生の見立ては、おしろいに含まれる鉛の粉じんを大量に吸い込んだための「鉛中毒」だという。

ノイロシート

血液の吸収、組織の保護などを目的に、脱脂綿を圧縮して加工した手術用のコットンシートのこと。

ドラマでは、開頭手術の際、あらわになった「くも膜」の上に、濡らしたノイロシートを敷き詰めて乾燥を防いだりするのに使っています。

脳挫傷

強い頭部打撲などの外的要因により、衝撃が脳に伝わり脳そのものが損傷を受けること。

登場回

完結編最終回 前編

坂本龍馬(内野聖陽)が護衛についていた東(佐藤隆太)に斬られて脳挫傷となる。同時に開放性陥没骨折、急性硬膜下血腫、外傷性クモ膜下出血も併発し、大脳の一部が飛び出している状態だった。

脳室ドレナージ

くも膜下出血や脳室内出血の際、脳室内にドレナージチューブを挿入して、溜まった血液や髄液を排出させる方法。

登場回

完結編最終回 前編

南方先生は、斬られた坂本龍馬(内野聖陽)の手術に取り掛かるも、脳がふくれて浮腫を起こしているため、脳圧を下げるために脳室ドレナージを実施した。

脳震盪(のうしんとう)

脳に外部から強い力が加わり、一時的に意識障害や記憶障害を起こしている状態のこと。ただし、あくまでも一過性のもので、脳自体の損傷がない場合を指します。

登場回

第1話

タエ(戸田菜穂)が馬に蹴られて意識を失っている状態を見て、「死んでる」と勘違いした息子の喜一(伊澤柾樹)に対し、南方先生が「脳震盪を起こし気を失っているだけだから大丈夫!」と安心させた。

ハ行

敗血症

何らかの原因で感染した細菌やウイルスが全身に広がり、さまざまな臓器に障害が出る病気のこと。全身のふるえや発熱・発汗などが見られ、重症化すると血圧低下、意識障害を引き起こし最悪の場合は死に至る。

登場回

第8話

南方先生は野風(中谷美紀)の頼みで、吉原の花魁おいらん・初音(水沢エレナ)の診察にあたる。初音は「敗血症」を患っており意識も混濁していた。おそらく客の子供を堕す手術をした時に、細菌に感染したのではないかと見られた。

貧血

体中に酸素を届ける役割である血液中の「ヘモグロビン」の量が少なくなった状態のこと。全身に酸素が行きわたらないことで、立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛など、さまざまな症状を引き起こします。

登場回

第4話

南方先生は、吉原の遊郭「鈴屋」のおやじさん(六平直政)を診察に行った際、野風(中谷美紀)を見て貧血だと判断する。なぜなら野風が「あっかんべー」をした時の目の下が白かったから。

完結編第4話

川越藩主の妻・恵姫(緒川たまき)は「こぶ」の摘出手術が必要だが、爪が「スプーンネイル」であり鉄欠乏性貧血が疑われるため、出血に備えて輸血の準備をしておかなければならなかった。

腹腔内出血

何らかの原因で臓器が傷つき、臓器の周りの空間(腹腔)に血液が漏れ出すこと。出血が少なければ問題ありませんが、大量に出血してショック状態に陥ると命の危険があります。

登場回

完結編第4話

川越へ向かう途中の宿で出会った、お初(畠山彩奈)が崖から転落し、お腹に木の枝が刺さった状態で発見された。おそらく腹腔内で出血しており、緊急輸血が必要だと思われた。

ブドウ球菌

化膿した傷口やにきびなどに多く存在する菌のこと。菌を顕微鏡で見ると、ぶどうの房のように見えるため、この名前が付けられたといいます。

登場回

第5話

南方先生は、夕霧(高岡早紀)をそう毒(梅毒)から救おうと、ペニシリンの開発に着手する。出来上がったペニシリンを、夕霧の皮膚の膿から採取したブドウ球菌を使って効能を確かめた。

腑分け

現代の「解剖」のこと。

登場回

第6話

女郎の「つう」が殺され、近くに佐分利(桐谷健太)のメスが落ちていたという。さては佐分利の仕業かと思われたが、佐分利は「女郎に頼まれて腑分けをしていただけ」と言う。

貧乏で治療費が払えなかった「つう」は、せめてもの償いとして自分が死んだら腑分けに使ってほしいと佐分利に書き残していたのだった。

ペニシリン

イギリスの細菌学者A.フレミングが発見した世界発の抗生物質、いわゆる細菌による感染症に対して有効な薬のこと。

ある日、フレミングがブドウ球菌を培養していた時、たまたま皿の中に青カビが入り、カビの周りだけ菌が繁殖しなかったという偶然の出来事から、ペニシリンが発見されました。

フレミングはこの功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞し、「20世紀最大の発見」と言われています。

登場回

第5話

そう毒(梅毒)に冒されている夕霧(高岡早紀)を助ける唯一の方法はペニシリンだけ。南方先生は医学所に泊まり込み、ペニシリンの製造に挑み始める。

ホスミシン

主に感染症の治療に使用しる「ホスホマイシン系」の抗生物質。他の抗生物質が効きにくいグラム陰性桿菌への効果が期待できる薬です。

登場回

完結編最終話 後編

咲(綾瀬はるか)が幕府軍の流れ弾に遭い腕を負傷。患部は緑膿菌により化膿し全身状態も良くない。南方先生は自分が江戸にタイムスリップしたときに「ホスミシン」を持ってきたことを思い出す。

マ行

盲腸

JIN-仁-

正式名称は「急性虫垂炎」。虫垂が炎症を起こす病気で「アッペ」とも呼ばれています。原因はストレスや、ウィルス感染、疲労など、さまざまな要因が考えられますが、これといった決め手はありません。

登場回

完結編第1話

新撰組によって連れ去られてしまった南方先生は、薩摩藩邸にいる西郷隆盛(藤本隆宏)の治療をする羽目になる。症状は吐き気と強い腹痛だが、触診すると筋硬直も見られ腹膜炎を併発している重度の虫垂炎が疑われた。

マウストゥーマウス

人工呼吸の方法の一つで、患者の口へ直接息を吹き込む方法。

登場回

完結編第3話

南方先生が皇女和宮暗殺の汚名をきせられ、閉じ込められた牢屋の中で、囚人たちがもみ合いとなり牢名主が気を失って倒れていまう。心室細動を起こしていると判断した南方先生は、マウストゥーマウスで人工呼吸と心臓マッサージを繰り返した。

ラ行

蘭方医(らんぽうい)

江戸時代の日本に伝えられた西洋医学の事を「蘭方医学」と言い、その西洋医学に基づいた医者のことを蘭方医と呼びます。相対するのが中国から伝わった「漢方医学」による「漢方医」。

漢方医が薬草などを原料とした薬を処方する内科的治療であるのに対し、蘭方医は、器具を使って手術をしたり、科学薬品を用いた薬を使う外科的治療という違いです。

レイノー症候群

寒冷刺激や精神的ストレスに対する反応として手の一部に生じる血管攣縮のこと。ただし、鉛、ヒ素、カドミウム、アルミニウムなどの有害重金属の蓄積が原因で起こることもあります。

登場回

完結編第5話

歌舞伎役者、澤村田之助(吉沢悠)の兄弟子・坂東吉十郎(吹越満)は、「レイノー症候群」に冒されていて、手と足の指はすでに潰瘍化していた。南方先生の見立ては、おしろいに含まれる鉛の粉じんを大量に吸い込んだための「鉛中毒」だという。

労咳(ろうがい)

結核菌による肺の感染症で、現代では「肺結核」と呼ばれています。

登場回

完結編第7話

南方先生の医術を認め、大きな支えとなってくれた緒方洪庵(武田鉄矢)は、自身が労咳であることに気づいていたが、誰にも言わず静かにこの世を去ろうと決心していた。南方先生は、洪庵亡きあと、強いペニシリンがあれば助けられたもしれないと、よりペニシリン製造に力を注ぐ。

涙小管

涙の経路「涙道」の中にある細い管の名前。涙小管の壁は「海綿体(かいめんたい) でできていて、厚くなったり薄くなったりして、涙の排出を促す役割を果たしています。

登場回

完結編第6話

南方先生は長崎で、目を斬られた武器商人「トーマスグラバー」の手術をする羽目になるが、涙小管が断裂しているため手術は容易ではない。

普通に縫い合わせるだけでは閉塞してしまうため、シリコンチューブの代用として細い針金を鼻涙管に刺し込み癒着を防ぐ処理をする。

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最後に

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