実話を元にした映画「余命10年」のあらすじと印象に残った言葉

余命10年 映画
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映画「余命10年」は、数万人に一人という難病を患い余命が10年であることを知った20歳の女性が、最期の10年を精一杯生きる様子を描いた物語です。

この作品は、原作者である小坂流加さんの実話を元に、小松菜奈と坂口健太郎が至極のラブストーリーを展開し日本中を泣かせました。

今回は映画「余命10年」のキャストやあらすじ、印象に残った言葉や配信サイトなどをご紹介します。

映画を見た人もまだ見ていない人も、きっと見たくなりますよ。

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映画「余命10年」

基本情報

公開日2022年3月4日
原作小坂流加『余命10年』
(文芸社文庫NEO刊)
監督藤井道人
脚本岡田惠和 渡邉真子
音楽RADWIMPS
医療監修佐藤 徹
医療取材協力長谷川 剛
特別撮影協力JCHO仙台病院
ロケ地JCHO東京新宿メディカルセンター
文芸社
静岡県三島市
谷中銀座商店街
石神井薬師堂橋付近
あけぼの山農業公園(千葉県)
入田浜海水浴場(静岡県)
日暮里駅前
軽井沢プリンスホテルスキー場 他
製作プロダクションROBOT
配給ワーナー・ブラザース映画

主題歌

RADWIMPS「うるうびと」(Muzinto Records / EMI)

キャスト

役名キャスト役柄
高林 茉莉
(たかばやし まつり)
小松菜奈「肺動脈性肺高血圧症」という難病に冒されており余命10年と宣告されている
真部 和人
(まなべ かずと)
坂口健太郎茉莉の恋人。会社を経営している父親とは絶縁状態で何をやってもうまくいかず自暴自棄になっていた
富田 タケル
(とみた たける)
山田裕貴茉莉と和人の中学の同級生。二人の良き理解者
藤崎 沙苗
(ふじさき さなえ)
奈緒文芸社に勤務している茉莉の大学時代の親友。茉莉の小説のセンスを買い在宅でできるWebライターの仕事を紹介する
高林 桔梗
(たかばやし ききょう)
黒木華茉莉の姉
高林 百合子
(たかばやし ゆりこ)
原日出子茉莉と桔梗の母
高林 明久
(たかばやし あきひさ)
松重豊茉莉と桔梗の父。少しでも家を明るくしようとガーデニングに精を出している
平田先生
※映画のみ登場
田中哲司茉莉の主治医
梶原 玄
(かじわらげん)
※映画のみ登場
リリー・フランキー和人の働く「焼き鳥げん」の店主。和人のために店を暖簾分けする
並川 MEGUMI沙苗の勤める文芸社の編集長
礼子安藤聖茉莉と同じ病気で入院中の友人。息子の小学校の入学式に出席できたとうれしそうに動画を見ていたが、まもなく他界
美弥上原実矩大学の同級生
サオリ三浦透子大学の同級生

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あらすじ

余命10年

◆2011年

茉莉(小松菜奈)は自分と同じ病気「肺動脈性肺高血圧症」で入院している礼子(安藤聖)と話しをしていた。

礼子はビデオカメラで撮影してきた我が子の映像を見ながら、「小学校の入学式に間に合った(生きていた)」と笑ったが、「最後まで生きてね…」と言ってそのカメラを茉莉に託したのが最期の言葉となった。

茉莉は礼子の葬儀に出席した帰り道、礼子から託されたビデオカメラで満開の桜を撮影しながら自分の未来を案じるのだった。

◆2013年

8/14退院。2年ぶりの我が家だ。うれしいはずなのに自分の病気は不治の病で突然死の危険があること、わずかな希望があるとすれば肺移植しかないことを考えると素直に喜べない。

◆2014年

ロケ地:静岡県三島市「源兵衛川」
ロケ地:静岡県三島市「源兵衛川」

茉莉の元に中学校の同窓会の案内が届く。さんざん迷ったものの当時住んでいた三島市がなつかしく思えて参加することに。

店に入るのをためらっていた時、後ろから「入らないんですか?」と和人(坂口健太郎)に声をかけられたが、茉莉にはその青年が誰なのか思い出せない。

同窓会は昔の思い出話で盛り上がっていたが、茉莉は「普通の生活」ができる同級生たちに複雑な思いを抱く。

同窓会では中学卒業時に書いたタイムカプセルが渡された。茉莉のタイムカプセルには、「元気ですか? 恋人はいますか? 小説は書いていますか? 元気に生きていくてださい。」と書かれていた。

東京に戻った茉莉は、今は東京にいるタケル(山田裕貴)から連絡をもらう。和人が自殺未遂を図ったというのだ。

慌ててかけつける茉莉。和人は自分が会社をクビになり現在無職であること、同窓会で楽しそうに笑う友人たちを見て自分が情けなくなり魔が差したのだ。

その話を聞いた茉莉は、「真部くんのことよく知らないけど、それってずるい」と言いって帰ってしまう。

それから程なく和人が退院。茉莉と和人、タケルの3人で退院祝いと称してタケルの行きつけの焼き鳥屋「げん」を訪れる。

その帰り、茉莉は桜並木の下で和人にカメラを向け、「これからどうするんですか?」と問いかける。彼の返事は「とりあえずバイトして家賃を払います」。

「わたしもがんばるので、もう死にたいなんて思わないでください」と微笑む茉莉。

その2人を包むかのように桜の花びらが舞った…。

◆2016年

隅田川の夜桜とスカイツリー

茉莉の姉・桔梗(黒木華)が結婚。姉の幸せそうな姿を見て喜ぶ茉莉だったが実はこの頃から少しづつ病状は悪化していた。

この日も披露宴の最中に体調が悪くトイレに駆け込んでいた時、親戚のおばさんたちが「茉莉ちゃん可哀想、あと3、4年くらいらしいわよ」と話しているのを聞いてしまう。

その頃の茉莉は姉にも冷たい態度をとってしまったり、友人の結婚も素直に喜べずヤケ食いをして吐き戻すなど、精神的に落ち込んでいた。

そんな矢先、最寄り駅で自分のことを心配して探してくれていた和人に出会う。和人は「これからは俺が茉莉ちゃんを守るから、だから一緒にいてください」と告白。

二度と恋なんかしないと思っていた茉莉だったが、二人で一緒に買い物に行ったり、夏には花火をしたりと普通のカップルのような幸せな時間が訪れる。

◆2018年

余命10年

2人は一泊でスキー旅行に出かける。激しい運動ができない茉莉を膝に抱えてソリすべりをする和人。転んだ拍子に彼のポケットから出てきたのは「指輪」。

和人は指輪を見せながら彼女にプロポーズするも、茉莉は「かっこ悪かったからダメー!」と冗談めかして断った。

その夜、茉莉は自分が不治の病で余命いくばくもないことを告白。「これ以上カズくんといると私死ぬのが怖くなっちゃう」と一方的に別れを告げる。

茉莉は自分の死期が近づいていることを悟っていたのだ。

◆2019年

入院した茉莉は常に酸素マスクをつけていなければならず、弱ってきているのは誰の目にも明らかだった。

その頃の茉莉は、友人たちや和人との楽しかった思い出の動画を泣きながら消去していく毎日。しかし、夜桜の下で和人にカメラを向けたときの映像だけはどうしても消せなかった。

そんな中でも小説を書くことだけはあきらめず、出版社に勤める沙苗(奈緒)と原稿のやりとりをしていた。思い出の一泊旅行以来、和人とは会っていない。

一方和人は夢だった自分の店「まつり」をオープン。開店祝いに駆けつけてくれた沙苗がくれたものは、茉莉が書き上げた小説『余命10年』の原稿だった。

ある日、茉莉の容態が急変。このまま二人に永遠の別れが訪れるのか・・・。

「肺動脈性肺高血圧症」とは

心臓から肺に血液を送るための血管「肺動脈」の圧力(血圧)が異常に上昇する病気で「難治性呼吸器疾患(指定難病)」に認定されています。

30歳前後の女性に多く、発症率は100万人に2~15人と報告されています。 

肺動脈の圧力が上昇する理由は、肺の細い血管が異常に狭くなり、また硬くなるために血液の流れが悪くなるためですがその原因はわかっていません。

難病情報センターより抜粋

印象に残った言葉

この作品は「RADWIMPS」の美しくも哀愁のあるサウンドトラックや、1年間かけて撮影したと言われる日本の四季折々の美しさがセリフを大いに際立たせています。

平凡でつまらない人生かもしれないけど、隣には茉莉ちゃんがいる。死にたいって思ってた俺に生きたいって思わせてくれた茉莉ちゃんのために俺は生きる。これからは俺が茉莉ちゃんを守るから、だから一緒にいてください。茉莉ちゃん、好きです

2016年、和人の初めての告白

余命10年って笑っちゃうよね。長いんだか、短いんだか

茉莉ちゃんがいれば何だってできると思うんだ。だから俺と結婚してください

2018年 プロポーズの言葉

これ以上カズくんといると私死ぬのが怖くなっちゃう

2018年 二人が結ばれた後、茉莉が別れを決心したときの言葉

もっと泣いたりわめいたりしていいんだよ。最初に先生から病気の事を聞かされたとき、お母さんたちの方が動揺して先に泣いちゃったから泣けなかったんだよね、ごめんね。

2018年 和人と別れてきたことを察した母が茉莉にかけた言葉

夜まぶたを閉じるのが怖いんだ。

私間違ってなかったよね、これで良かったんだよね。

ねぇ、和くん…私の人生は幸せだったよ。人より短かったけどあなたと出会って、あなたに愛されて、私は確かに生きてたって思う。だからこれで良かったんだよね。

会いたいよ会いたいよ、和くん、大好きだよ。

命の間際に茉莉が小説に残した言葉
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映画「余命10年」の配信サイト

映画「余命10年」は、下記の動画配信サービスで配信されています。(2022.10月現在)

動画配信サービス配信方法月額料金
Amazonプライムビデオレンタル500円
U-NEXTレンタル2,189円
music.jpレンタル1,958円
ABEMAレンタル960円
TSUTAYA DISCASレンタル2,052円

ですが・・・
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医療ドラマまにあとしての感想

実はこの作品、今までで一番泣けたという人と、全然泣けなかったという意見も少なからずあったようです。

それは究極「美味しいと思うか思わないか」であり、個々の感覚が違うのは当然のこと。個人的には自分と違う意見に左右されることはありません。

この映画は余命宣告という重苦しいテーマであり、もちろんもがき苦しむ主人公の葛藤も描かれていますが、ドロドロした場面はなく描写がすごく美しい。

監督の藤井道人さんも、「四季を通して茉莉の10年を追いかけ、その時彼女が感じた気持ちを映像で表現したい」との想いから、あえてコンピューターグラフィックス(VFX)を使用せず、一年間という長い撮影期間で全て実写で撮影したといいます。

また、最近のドラマや映画はテンポが早いものが多い中で、セリフもゆったりと間を取ることで、そこに存在する「主人公の気持ちを思い量る」という、まさに小説を読む時の楽しさにもこだわっている作品です。

私は医療ドラマが大好きで、ふだんは「原作を読むと映像が見たくなる」というパターンなのに、この作品は、映画を見たらどうしても小説が読んでみたくなった、という貴重な作品。

そこには、まだ原作者の小坂流加さんが生きているような気がするからです…

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