コウノドリ2017『オランダへようこそ』で考える出生前診断の是非

ドラマ

産科を扱った医療ドラマの代表作とも言える「コウノドリ」。時には辛い現実がある中で、いつもサクラ先生のピアノが和ませてくれました。

今回はコウノドリ(2017)の10話と11話(最終回)のあらすじを振り返りながら、出生前診断の目的についても考えてみたいと思います。

是非、最後までご覧ください。

コウノドリ(2017)

引用:公式サイト

基本情報

放送2017年10月13日~12月22日
原作『コウノドリ』(講談社刊)/ 鈴ノ木ユウ
企画鈴木早苗
脚本坪田 文、矢島弘一、吉田康弘
プロデューサー那須田淳、峠田 浩
演出土井裕泰、山本剛義、韓 哲、加藤尚樹
音楽木村秀彬
ピアノテーマ・音楽監修清塚信也
取材協力荻田和秀(りんくう総合医療センター・産婦人科)
豊島勝昭(神奈川県立こども医療センター・新生児科)
室月 淳(宮城県立こども病院・産科)
渡部広明(島根大学医学部付属病院高度外傷センター)
ロケ地北里大学病院
神奈川県立がんセンター
神奈川県立こども医療センター
横浜市立大学医学部附属病院 他

主題歌

Uru『奇蹟』

作詞:Uru  作曲:B.EYES,ENNE  編曲:冨田恵一

心があらわれる歌声ですよ。

主なキャスト

鴻鳥こうのとりサクラ(綾野剛)

ペルソナ総合医療センター産婦人科医師。「ベイビー」という名の天才ピアニストでもある。

温厚で優しい性格だが、現実を直視する厳しさもあるためチームの中心的存在。

シングルマザーの母親がサクラを産んだ直後に子宮頸がんで死亡したため養護施設で育った。好物はカップ焼きそば。

四宮しのみや春樹(星野源)

ペルソナ総合医療センター産婦人科医師。無口で無表情なので冷たい人間のように思われている。サクラの同期で父親も産婦人科医。

研修医時代はいつもニコニコして患者や同僚のウケも良かったが、5年前のある出産をきっかけに、たとえ嫌われたとしても患者を救うことに命を賭けるようになる。

好物はジャムパンと牛乳。

◆小松留美子(吉田羊)

ペルソナ総合医療センター助産師長。

母親も助産師だったが、経営していた助産院で先天性横隔膜ヘルニアの赤ちゃんを死なせてしまい廃業したという辛い過去があり、高校時代はグレていた。

15年前から黒髪のお団子頭で、見た目は若いがアラフォー。好物は豚足、冷えたビール、煙草。

◆その他のキャスト

今橋 貴之大森南朋ペルソナ総合医療センター新生児科部長
兼周産期母子医療センター長
妻と子供がいるが繁忙のためほとんど家に帰れない
白川 領坂口健太郎ペルソナ総合医療センター新生児科医師
下屋 加江松岡茉優ペルソナ総合医療センター救命医
赤西 吾郎宮沢氷魚ペルソナ総合医療センター初期研修医
父親も開業医のため「ジュニア」と呼ばれている
向井 祥子江口のりこペルソナ総合医療センター
ソーシャルワーカー
倉崎 恵美松本若菜ペルソナ総合医療センター産婦人科医。シングルマザー
大澤 政信浅野和之ペルソナ総合医療センター院長
サクラがピアニストであることを唯一知る人物
荻島 勝秀佐々木蔵之介隠久ノ島病院 院長
サクラと四宮の恩師

第10話~11話(最終回)あらすじ

この回には「出生前診断」を受けた2人の妊婦が、それぞれの道を歩むまでの苦悩が描かれています。

◆高山 透子(初音 映莉子)

別の病院で出生前診断を受け「21トリソミー」が陽性とわかった高山透子(初音映莉子)と夫・光弘(石田卓也)がサクラ(綾野 剛)の元を訪れる。

サクラは二人に「羊水検査」をしてはっきり診断することを勧めると同時に、何らかの診断が下された時、お腹の赤ちゃんをどうするか考えておく必要があることも説明。

動揺する二人に対し「これからのことは一緒に考えましょう」と寄り添うサクラ。

夫や両親たちは産むことに反対するも、不妊治療をへてやっと授かった我が子をどうしてもあきらめられない透子だったが「オランダへようこそ」という詩を読み、不安は消えないものの産む決心をするのだった。

◆辻 明代 (りょう)

明代はすでに羊水検査を受け、お腹の子が「ダウン症候群」であると診断されていたが、経済的事情から中絶を希望していた。

自分がダウン症の子供にかかりきりになれば、自営業を手伝う事ができなくなるが人を雇う余裕はない。おまけにまだ幼い長女のこともあり決心は固かった。

「手術をしたら一度だけ抱かせてください」と頼み手術室へ。

(メンタル的に)自分は大丈夫!と気丈に振る舞っていたものの、自らの手で我が子の命を失くさせた辛さは想像を絶するものだった。

2組の夫婦の選択にサクラはどう向き合い、どう寄り添っていくのか。医師たちにいったい何が出来るのか。

最終話のもう一つの見どころは、小松(吉田羊)の同期である武田(須藤理彩)が出産の日を迎えるが、出産が長引き胎児の心音が低下。

緊急で帝王切開が行われ無事に女の子が産まれたものの予想外の大出血。武田は、妊娠100,000件に対し2~6回程度しか発症しない「羊水塞栓症」だったのだ。

相当量の出血で武田はショック状態。サクラは武田の命を救えるのか…

ダウン症(ダウン症候群)とは

21番目の染色体が通常であれば2本のところ3本になっている染色体異常(トリソミー)があることです。染色体異常の中でももっとも頻度が高く、新生児の約600~800人に1人がダウン症候群だといわれています。

特徴として心身の成長が全体的に緩やかであり、見た目などいくつか共通している部分があります。このほか、合併症を伴うことも多いですが、最近の医療や療育、教育は進んでいることから、多くの人が普通に学校・社会生活を送っています。

引用:Medical Note

オランダへようこそ

オランダへようこそ

透子(初音 映莉子)が力をもらった詩は、アメリカの作家・社会活動家のエミリー・パール・キングスレイが1987年に書いた「オランダへようこそ」という詩です。

エミリーの子がダウン症として生まれた1974年頃は、まだ「ダウン症」という障害に偏見があり医者でさえ「歩くことも話すこともできない」と決めつけ、出産したことは忘れるようにと精神安定剤を処方するような時代だったと言います。

そんな経験を経たエミリーさんの言葉が多くのダウン症児を抱える親御さんの支えとなっています。

その全文をご紹介しましょう。

オランダへ、ようこそ

私はよく障害を持つ子供を育てるって、どんな感じか聞かれることがあります。

障害児を育てるというユニークな体験をしたことがない人が、理解して想像できるようにこんな話しをします。

出産の準備をするというのは、すてきな旅行の計画をすることに似ています。

例えば、イタリアへの旅。旅行ガイドを数冊買い込み、現地での行動を計画します。
ローマのコロシアム、ミケランジェロのダビデ像、ベニスのゴンドラ。

簡単なイタリア語を覚えるかも知れません。とても、わくわくします。

そして、何ヶ月も待ちに待ったその日がやってきます。

あなたはカバンを持って、いよいよ出発します。

数時間後、あなたを乗せた飛行機が着陸します。
スチュワーデスが来て、「オランダへようこそ。」と言います。

「オランダですって?」と、あなたは驚きます。
「オランダってどういうこと?私はイタリアへ行くはずだったのよ!
ずっと前からの夢だったのよ!」

しかし、飛行計画が変更になり、オランダへ着陸したのです。
あなたはそこに残らなければなりません。

ここで考えて欲しいのは、あなたは、不快で汚くて、伝染病、飢饉や病に侵されたひどい場所に連れてこられた訳ではないという事です。

ただ、ちょっと違う場所であるという事です。

そこであなたは、新しい旅行ガイドを買わなければなりません。
そして、全く違う言葉を覚えなければならないのです。

また、今まで会ったことのない人々に出会うことになります。

ちょっとだけ違う場所へ来てたのです。

イタリアに比べて、時はゆっくりと過ぎていき、イタリアのような華やかさはありません。

でも、しばらくここにいて息を深く吸ってみると、周りをみわたすと・・・
オランダには風車があることに気がつきます。

チューリップも。オランダにはレンブラントもあります。

あなたの知人たちは、イタリアへ行ったり来たりして、とても楽しい時間を過ごしたと自慢します。

あなたは残りの人生、こういい続けるでしょう。
「私もイタリアへ行くはずだったの。そのつもりだったの。」

イタリアへ行けなかった痛みは癒えることはないでしょう。
失った夢はあまりにも大きすぎるのです。

しかし、いつまでもイタリアに行けなかったことを悔やんでいると、オランダのすばらしさや美しさを楽しむことは出来ないでしょう。

作:エミリー・パール・キングスリー/ 訳:伊波貴美子

「コウノドリ」が見られる動画サービス

「コウノドリ」は2015年の第一シリーズ・2017年の第二シリーズとも、下記のサービスで見放題作品となっています。

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「医療ドラマまにあ」としての感想

コウノドリ

サクラ先生(綾野剛)が言っているように出産は奇跡です。私も2回の出産を経験しましたが、障がいのない子供が産まれたことがすでに奇跡なのでしょう。

そもそも障がいって何?

私の娘も産まれたときおっぱいが上手く飲めないのは「舌」が短いからだと言われたけど、これは障がいではないのか。その線引きがよくわかりません。

息子の同級生のダウン症の子が我が家に遊びに来たこともあったけど、いつもニコニコしてみんなの人気者でした。

とはいえ、ダウン症候群には心臓疾患を合併する場合も多いそうですから親御さんのご苦労は計り知れません。

そのような経緯を経て「出生時診断」というものが定着したのだと思いますが、そもそも「出生時診断」の目的は、

生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討するため

とあるように、産む産まないを判断するものではないように思います。

全ては、あまり苦労せず子育てが終わった私の「たわごと」ですが、障がいがあるから可哀想、障がいがある子は幸せではない、という考えには共感できません。

みなさまのご意見も是非、お待ちしております。

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