東野圭吾作品で私が一番好きなのは、脳移植をテーマにした「変身」。おそらく原作を読んだことがある方も多いでしょう。
この物語は、早い時点で主人公が「他人の脳を移植される」という一種ネタバレ的なことはわかってしまうのですが、このストーリーが面白いのはその後。
一人の体に2人の人格が存在しお互い戦い合うという、脳科学者たちが必死に追い求めている未知の脳科学がテーマだからです。
そこには理屈で割り切れないミステリアスな部分があり、ラストシーンも思わず「おおー!」と叫んでしまうほどの感動があります。
小説を読むだけでも十分感動する作品ですが、映像で見ると恐怖がプラスされてよりリアル!必見ですよ。
連続ドラマW「変身」
放送日 | 2014年7月27日~8月24日 全5回 |
原作 | 変身 (講談社文庫) [ 東野 圭吾 ] |
監督 | 永田琴 |
脚本 | 吉田紀子、田辺満 |
音楽 | 窪田ミナ |
医療監修 | 内田耕一 内ヶ崎酉作 |
医療指導 | 堀エリカ |
理学療法士 | 佐野勇介 |
ロケ地 | 市立甲府病院 アルス画房(埼玉県熊谷市) 銀座シャルクレール 甲府地区消防本部・甲府南消防署 |
制作 | WOWOW |
主題歌
高橋優「おやすみ」
メロディーも歌詞もシンプルが故に想いが伝わってくる曲です。
主なキャスト
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
成瀬純一 | 神木隆之介 | 工場勤務の24才、愛称「ジュン」。美大を目指していたほど絵の才能があり、今でも休みの日は絵を描いて過ごしている |
葉村恵 | 二階堂ふみ | 画像ショップ店員で、純一の恋人。愛称「メグ」。ソバカスがチャームポイント |
橘直子 | 臼田あさ美 | 堂元の助手 |
光国隆康 | 戸次重幸 | 堂元教授の友人の心理学教授 |
若生健一 | 東根作寿英 | 堂元の助手。同僚の直子に好意をもっている |
堂元博 | 伊武雅刀 | 東和大学医学部脳神経外科教授 |
京極瞬介 | 渡部豪太 | 立てこもり事件の犯人。音楽の才能がありピアノのおもちゃを大切にしていた |
京極亮子 | 本田翼 | 瞬介の双子の妹 |
葛西三朗 | 中尾明慶 | 成瀬の職場の友人で、事あるごとに純一をかばってきた |
牧村一身 | マキタスポーツ | 恵の務める画材屋の店主 |
関谷時雄 | 交通事故で脳死になった患者 | |
倉田謙三 | 村上淳 | 捜査一課の刑事 |
葉村春彦 | 松重豊 | 恵の父親 |
あらすじ
第1話 覚醒
成瀬純一(神木隆之介)は、画家を夢見ながら工場で真面目に働いている。その日は恋人の恵(二階堂ふみ)とささやかなクリスマス・イヴを過ごす予定だったが、サプライズで用意していた婚約指輪を受け取るために立ち寄った宝石店で、強盗事件に遭遇し頭に大けがを負ってしまう。
第2話 予兆
職場に復帰した純一は、人が変わったように積極的になり同僚と激しい摩擦が生まれる。特に音に敏感になり、隣人の大きな笑い声などがたまらなく鬱陶しい。また、今までは「可愛い」と思えていた恵のそばかすが気になって仕方がない。純一は、今までの自分と何かが違うことに気づき始めていた。
第3話 ドナー
恵とのデートするために入ったバーで、ピアノの音をきっかけに暴力事件を起こした純一は、自分の脳の中に他の誰かがいることを確信した。恵の制止を振り切ってドナーを探し始める純一。そしてたどりついたのが強盗事件の犯人・京極(渡部豪太)だった。
第4話 共鳴効果
純一は京極の双子の妹、亮子(本田翼)に会って京極の生い立ちや性格について尋ねたが、それは自分の想像していた凶暴な京極とはかけ離れたものだった。純一は自分が凶暴化しているのは単に京極になろうとしているからではないということに気づく。
第5話 成瀬純一
以前の自分に戻りたい。追われる純一の前に現われたのは、昔とちっともかわらないそばかす顔の恵だった。恵をモデルに必死に絵を描く純一。そして純一は、自分自身を取り戻すためにある決心をするのだったが…。
「変身」の口コミ
連続ドラマW「変身」の楽しみ方
◆動画配信サービスで見る
◆DVDで見る
◆原作を読む
東野圭吾作品の中では名作と言われている一冊。映像も良いけど「文字を読むだけでゾクゾクする」って、やっぱり読書って素晴らしい!
最後に/脳移植は本当に可能なのか
移植医療は年々進歩しているとはいえ、脳移植なんてできるの?って思いますよね。実は興味深い動画を発見しましたのでごらんください。
「レシピエントが脳移植をうけたことではなくドナーが体移植をうけたこと」
もちろんこれはこの先生の見解ですが、要するに「誰を助けることになるのか」って話ですよね?
とはいえ、このドラマのように「脳の一部」を移植したということになれば、まさに未知の領域。
それに仮に他人の脳が移植されたとしても、その人間の体の全てはその人のDNAで出来ているのだから、「DNAが総動員して新しい脳を味方につける」ように働かないとも限らない。
なんて考えてしまうのは私だけでしょうか。
脳科学は日進月歩。つい先日も日本とアメリカが、アルツハイマーの特効薬を共同開発したというニュースもありました。
脳移植はさておき、超高齢社会においてアルツハイマーも抑えられるとなれば、90才、100才のお年寄りがバリバリ働く世の中が来るかもしれませんね。