パンドラIV AI戦争あらすじ~医療AIで医師は淘汰されるのか

パンドラAI戦争 ドラマ
記事内に広告が含まれています。

皆さんは「AI(人工知能)」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

学校や職場でチャットGPTが浸透する中、医療の世界にもAI導入が必然のものとなっています。

2018年に放送された「パンドラIV AI戦争」は、医療AI導入によって引き起こされる医師会やIT企業との対立に一石を投じた作品です。

2025年の今、当時投げかけられた疑問がどうなっているのか。

ドキュメンタリー感覚で楽しめるドラマ「パンドラIV AI戦争」、ではどうぞ。

スポンサーリンク

連続ドラマW パンドラIV AI戦争

2018年11月11日~12月16日 日曜22:00 – 23:00 全6話 WOWOW

スタッフ

脚本: 井上由美子
監督: 河毛俊作 村上正典
音楽: 佐藤直紀
エンディングテーマ:トニー・ベネット「The Good Life」

医療監修 他

医療監修:恩田秀賢(日本医科大学) 中澤暁雄 山本昌督
法律監修:小林健太郎(さくら共同法律事務所)矢野亜紀子(三島総合法律事務所)

ロケ地

総合病院土浦協同病院(メディノックス医療センター外観)
羽生総合病院
土浦総合病院附属看護専門学校
相模原市立青野原診療所(相模原赤十字病院)
横浜みなとみらい法律事務所

キャスト

◆鈴木哲郎/向井理
メディノックス医療センターの循環器内科医 医療AI「ミカエル」の開発者。父親が医療ミスで亡くなったことがきっかけで医師を目指した

◆蒲生俊平/渡部篤郎
IT企業ノックスグループCEO。過去にインサイダー取引で逮捕歴がある

◆橋詰奈美/美村里江
メディノックス医療センター看護師。AI診断担当

◆太刀川春夫/ 山本耕史
毎朝新聞の記者。奈美(美村里江)と愛人関係にある

◆東浩一郎/三浦貴大
弁護士。日本初の医療AIを取り扱った医療裁判に意欲を燃やしている

◆上野智津夫/ 原田泰造
メディノックス医療センターの心臓外科医。神の手と崇められている。莫大な報酬に目がくらんでメディノックス医療センターに異動してきた

◆有薗直子/ 黒木瞳
日本医師会会長

◆横山新造/升毅
厚生労働大臣。58歳。AI診断で心臓に異常がみつかる

◆内海春明/長谷川朝晴
メディノックス医療センター院長

◆鈴木春子/鷲尾真知子
哲郎(向井理)の母。認知症がすすみ施設で暮らしている

あらすじ(ネタバレあり)

パンドラAI戦争
写真はイメージです

第1話

企業家の蒲生俊平(渡部篤郎)に買収されて生まれ変わったメディノックス医療センター。病院の目玉は30億円を投じて開発した医療AI「ミカエル」だ。

開発者の鈴木哲郎(向井理)曰く、『AIは自らの間違いを修正し、永遠に進化を続ける、人間のように病気になることもなければ死ぬこともない』と、絶対の自信を持っている。

ある日、AI診断外来にラーメン店を営む木下繁夫が診察を受けに来る。AIは「感染性心内膜炎」で大動脈に細菌の塊があるため至急、弁置換術が必要と判断した。

上野( 原田泰造)の手で緊急手術が行われるも術後6時間後に死亡。直接の死亡原因は血栓が脳に飛んだための脳梗塞だが、複数臓器に梗塞所見があるにも関わらず術前検査を怠ったこと、また、上野が弁置換術ではなく「ベントール術」を採用したことが原因だと思われた。

ただし上野は、AI診断によりオペを急がされたからだと主張。真向から対立する。

第2話

夫の死に納得がいかない妻の和香子(岡本玲)が病院を提訴。記者会見で「夫はAIに殺されました!」と主張する。

そんな中、蒲生(渡部篤郎)は厚生労働大臣の横山(升毅)にAI診断を受けさせる。裁判沙汰でAIに対する世論のネガティブなイメージを回復させようという魂胆だ。

診断の結果、大動脈解離で偽腔開存型へ移行しているとみられた。さらに潰瘍突起を伴う動脈瘤があり破裂の危険性があるため、早急に人工血管置換術が必要だ。

鈴木(向井理)は上野( 原田泰造)に手術を頼み込むが、上野は「AIに振り回されたくない」「なぜ外科がAIの尻拭いをしなければならないのか」と横山の手術を拒否する。

第3話

和香子(岡本玲)の裁判の弁護を引き受けた東(三浦貴大)は、病院を訪れAI診断の記録開示を求めるも、企業秘密を理由に蒲生(渡部篤郎)に開示を拒否されてしまう。

さらに、和香子が世論から金目当ての裁判ではないかと批判されたり、ママ友から白い目で見られるなど、精神的に追い詰められていく。

そんな中、鈴木(向井理)は直接和歌子に会いに行き、夫が死亡したのはAIのミスではなく、手術の準備ミスが原因だと説明。「AI医療の発展のために訴えを取り下げてほしい」と懇願するも和香子は猛反発。

他人が全員死んでも夫だけは生きていてほしかったと号泣する。

第4話

ピンチはチャンスと考え、医療用AI導入をさらに増やそうと目論む蒲生(渡部篤郎)は、自らミカエルの検査を受ける。ところが結果は想定外のものだった。

病名は「心室中隔欠損」。アイゼンメンジャー化しており手術は適応外と思われた。心不全や突然死の可能性もあり、2年以内に合併症で亡くなる確率は90%だという。

アイゼンメンジャー化とは

アイゼンメンジャー症候群とは、心室中隔欠損症などの先天性心疾患が長期間未治療で経過した場合に、肺の血管が狭くなりチアノーゼなどが生じる状態。

心臓の穴や、大動脈と肺動脈のつながりを閉じると、右心室の血液の逃げ場がなくなり危険な状態になるため、原因となる先天性心疾患の修復手術は原則的に行わない。

抜粋:メディカルノート

自分の死期を悟った蒲生は治療を拒否。残された時間を有益に使いたいと強硬な手段でAI診断化を推し進める。

まず大規模な人員削減計画だ。2年以内に100%AI化を目指すため、半年間の給与保証を条件に膨大な数の医師をリストラ。

蒲生は、高齢化が進み、今後ますます医療費の財源が乏しくなる中で、医師1人あたり1600万、SE(システムエンジニア)が650万の経費削減は急務であり、日本経済を立て直すのはAIしかないと主張する。

そんな中、鈴木(向井理)は、リストラ解雇に絶望した内科の綿貫(川守田政人)に暴行を受け、意識不明の重体に陥る。

その頃、一連のトラブルに疲弊していた鈴木は、ミカエルの将来を憂いシステムにロックを掛けていた。再開するとシステムが自爆するプログラムも組み込んで…。

第5話

意識を取り戻した鈴木(向井理)は病院を抜け出し警察に向かう。鈴木はAIの普及を妨げたくないという理由で、被害届を出さないと決めていたのだ。

そんな矢先、カフェでばったり上野(原田泰造)に出くわす。上野は静かに語る。

『AIが優秀であればあるほど医師はAIに頼るようになる。それによって技術の低下を招き医師が堕落する。AIのパートナーになるほど人間は強くないんだよ…』と。

その頃、蒲生(渡部篤郎)は一連のトラブルに終止符を打つべく記者会見を開く。マスコミに医師解雇の正当性を主張すると共に、スマートホスピタル構想を推し進めること、また近い将来無人病院を解説するなどと、オーバートークを連発。

会見を終えて町に出た蒲生は、何者かに撃たれ病院に運ばれる。一命を取り留めるも、不思議なことにミカエルが診断した心臓の異常が見られない。

念のため、再度ミカエルの診断を仰ぐも、驚くことに「心室中隔欠損」はあるものの手術による完治が可能で死の危険性は極めて低いという診断。

これはミカエルの誤診なのか・・・。

最終話

鈴木(向井理)は、ミカエルが誤診するなどありえないとパニックになる。原因はミカエルがバグを起こしているとしか考えられなかった。

ところがよく調べてみるとログの一部が勝手に書き換えられていることが判明。ミカエルは

”Stay with me(僕とあそぼう)”と意味深なサインを投げかけていた。

つまりAIのバグではなく進化の過程で起こした「いたずら」だったのだ。

鈴木はマスコミ向けに記者会見を開き、ミカエルはわざと間違った情報を出して自ら進化しようと行動を起こしたことを公表。

子供が積み木を積んでは崩し、積んでは崩しを繰り返しながら、高く積み上げることができるように、ミカエルも失敗しながら賢くなるための行動を起こし、自ら判断する一歩を踏み出したのだと、目を輝かせてスピーチする。

そして、その事実を政府関係者から隠蔽するように口留めされていたことも・・・。

スポンサーリンク

「パンドラIV AI戦争」を見る方法

パンドラAI戦争

◆動画配信サービスでみる

パンドラIV AI戦争」を配信している動画配信サービスは以下のとおりです。

ただし、トライアル期間があり無料で見られるのはU-NEXTだけ!

U-NEXT
Hulu
TELASA
FOD

\ 31日間無料トライアル実施中 /
スポンサーリンク

最後に/医療AIで医師は淘汰されるのか

第5話で上野先生(原田泰造)の、『AIが優秀であればあるほど医師はAIに頼るようになる。それによって技術の低下を招き医師が堕落する。』というセリフがあります。

あながち間違いではないかもしれませんが、質の問題だけでなく、AI導入によって1人の医師が診られる患者数が増えれば、相対的に必要な医師の人数が減るということはあるかもしれません。

とはいえ、いくらAIが進歩しても最終的に判断を下すのは医師であり、AIはあくまでもサポート役というスタンスは変わらないのではないでしょうか。

新しい技術が開発された時、最初は誰しも疑ってかかるもの。

電卓が発明された時も、答えをそろばんで検算していた時代があったといいます。でも今はそんなことはしませんよね?

近い将来、医療AIに診断ミスはないという認識が定着し、その結果に基づいて医師がより専門性の高い医療を提供することで、医師とAIが共存できる時代が来るといいですね。

\ 31日間無料トライアル実施中 /

 

タイトルとURLをコピーしました