東野圭吾原作のドラマ「使命と魂のリミット」。
石原さとみさんが心臓血管外科の研修医という大役を演じたことで注目を集めました。
そもそも「東野圭吾の医療ミステリー」と聞くだけで面白くないわけがない!
あらすじやキャストだけでなく実際の手術シーンもかなり作り込まれていて、医療ドラマとしてはかなり完成度の高い作品に仕上がっています。
原作と合わせて視聴すると、より感動しますよ!
NHK土曜ドラマ「使命と魂のリミット」
基本情報
放送日 | 2011年11月5日・12日(前編・後編) 土曜 21:00 – 22:15 |
原作 | 東野圭吾「使命と魂のリミット」 |
脚本 | 吉田紀子 |
演出 | 片岡敬司 |
音楽 | 窪田ミナ |
制作統括 | 谷口卓敬 |
医療監修 | 石井信一 |
ロケ協力 | 帝京大学医学部附属病院 帝京科学大学千住キャンパス 東京有明医療大学 他 |
主なキャスト
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
氷室 夕紀 (ひむろゆうき) | 石原さとみ | 帝都大学病院心臓血管外科の研修医。父親が医療ミスで死亡したと信じている |
直井 穣治 (なおい じょうじ) | 速水もこみち | 電子機器メーカーのエンジニア |
真瀬 望 (ませ のぞみ) | 倉科カナ | 帝都大学病院心臓血管外科の看護師。穣治の恋人 |
西園 陽平 (にしぞの ようへい) | 舘ひろし | 帝都大学病院心臓血管外科教授。氷室健介の執刀医だった |
七尾 行成 (ななお ゆきなり) | 吹越満 | 警視庁捜査一課の刑事 |
島原 総一郎 (しまばら そういちろう) | 中尾彬 | 自動車会社社長。大動脈瘤の手術のために帝都大学病院に入院している |
氷室 百合恵 (ひむろ ゆりえ) | 高島礼子 | 夕紀の母 |
氷室 健介 (ひむろ けんすけ)※回想シーン | 永島敏行 | 夕紀の父。元警察官。夕紀が中学生の時に胸部大動脈瘤の手術中に死亡 |
元宮 誠一 (もとみやせいいち) | 相島一之 | 帝都大学病院心臓血管外科医師 |
菅沼 庸子 (すがぬまようこ) | 山下容莉枝 | 帝都大学病院心臓血管外科の看護師 |
あらすじ
前編
氷室夕紀(石原さとみ)が務める帝都大学病院に、「医療ミスを公表しなければ病院を爆破する」という謎の脅迫状が届く。
心臓外科教授の西園(舘ひろし)は「医療ミスなどない」と言うが、夕紀は信じない。なぜなら父・健介(永島敏行)がオペ中に死亡したのは執刀した西園のミスだと思っているから。
そんな西園と再婚するという母・百合恵(高島礼子)に、つい否定的な態度をとってしまう夕紀。
そんな中、脅迫状の捜査のために刑事の七尾(吹越満)が病院に訪れる。七尾は父・健介の元同僚で、夕紀が健介の娘であることも気づいていた。
七尾に父のことをいろいろ問いただす夕紀。父がなぜ警察官を辞めたのか。そこには意外な事実が隠されていた。
後編
夕紀(石原さとみ)は、警察官だった父が、西園(舘ひろし)の息子を死なせていたと知り愕然とする。それなら西園が父への恨みからわざと手術を失敗したのではないかと疑う。
その頃病院ではトイレで爆破事件が発生。病院はパニック状態で退院希望患者が続出してしまう。
犯人の目的はどうやら病院にいる患者のようだが、具体的な要求もなく警察も頭を抱えていた。
そんな中、夕紀は島原(中尾彬)の大動脈瘤の第二助手に付くことになった。
手術当日、とうとう犯人が動き出す。病院内の電源に細工をし手術を続行不可能にするのが目的らしい。
非常用電源を使ってオペを続行するも犯人は主電源装置も爆破。無影灯すら使えなくなり万事休すかと思われた。
その時「あきらめるな!」と叫ぶ西園。
ありったけの電灯を集め心臓を照らす看護師、人工心肺を手動で回す臨床工学士などチーム総動員で目の前の命に向き合う。
島原(中尾彬)の命はどうなる?そもそも犯人の目的は何?
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「医療ドラマまにあ」としての感想
「使命と魂のリミット」は東野圭吾作品ならではのストーリーの面白さはもちろん、医療シーンのリアルさに驚かされた作品でした。
NHKによると、本物の人工心肺の装置や機材など2億円を投じて手術室のセットを製作したのだとか。
クライマックスの島原(中尾彬)の手術シーンでは、非常用電源すら使えないという設定のため、人工心肺内の血液の温度が適正に保てず、ポンプを氷で冷やす、反対にカイロで温めるなどアナログな手法が使われたり(実際にあるのかはわかりませんが)、人工心肺そのものを手動で回し続けるなど、緊迫の様子が十分伝わってきました。
そしてもう一つ。この犯人は決して凶悪犯ではなく優しい心を持った人間であったことも、より心に残る作品に仕上がったのだと思います。
「人間はそれぞれの使命を持って生まれてきている」
現代人に捧げる最高のエールかもしれませんね。