ブラックジャックによろしくの原作の中でも特に評判の良かったのが「涙のガン病棟編」。斉藤先生(妻夫木聡)もすっかり医者らしくなって、たくましく見えました。
このドラマには二人のがん患者、それも回復の見込みがない二人の女性が登場します。
二人の正反対の生き方を見ながら、もし自分が明日余命宣告されたら残りの人生をどうしたいと思うのか。どう生きようと思うのか。
そんなことを考えるきっかけを与えてくれたドラマです。医療ドラマってやっぱりいいな。
ブラックジャックによろしく~涙のガン病棟編~
基本情報
放送日 | 2004年1月3日 |
原作 | 佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」(モーニング・講談社) |
プロデューサー | 貴島誠一郎、伊與田英徳 |
ディレクター・監督 | 平野俊一、三城真一 ほか |
脚本 | 後藤法子 |
音楽 | 長谷部徹 |
演出 | 平野俊一・三城真一・山室大輔 |
医療監修 | 長星憲 加部一彦 南淵明宏(心臓外科) |
医療協力 | 北里大学病院 |
キャスト
青字の役名・キャストが「涙のガン病棟編」のみの出演です。
役名 | キャスト | 役柄と見どころ |
---|---|---|
斉藤英二郎 (さいとう えいじろう) | 妻夫木聡 | 北海道出身で、永禄大学医学部を卒業した研修医。 純粋で熱い情熱を持ちながら、涙もろくてつい患者に感情移入してしまうが多くの指導医に可愛がられる |
出久根邦弥 (でくね くにや) | 加藤浩次 | 斉藤の同期。開業医の息子で5浪して永禄大学に入学し、いずれは実家を継ぐ。 「スッキリ司会者の加藤浩次さん」とは思えない名演技 |
宗形正臣 (むなかた まさおみ) | 松尾政寿 | 斉藤の同期、開業医の息子 |
赤城カオリ (あかぎ かおり) | 鈴木京香 | オペ室看護師 ちょっと手厳しいが斉藤に対して遠くからエールを送っている 男勝りだが彼女にも辛い過去がある |
皆川 泰子(みながわやすこ) | 国仲涼子 | NICU(新生児ICU)の看護師 こんなナースがいたらいいだろうな |
高砂 春夫(たかさごはるお) | 笑福亭鶴瓶 | 永禄大学NICU医師 笑福亭鶴瓶さんの医者役も悪くない あの笑顔で患者は癒やされるかも |
堀内 清司(ほりうち きよし) | 古谷一行 | 第四外科(腫瘍外科学)の教授 |
庄司 直樹(しょうじ なおき) | 阿部寛 | 第四外科の医師。斉藤の指導医。次期教授候補 |
宇佐美 孝志(うさみ たかし) | 石橋貴明 | 第四外科の医師。出久根の指導医。庄司と同期 |
内海 まどか(うつみ まどか) | 伊東美咲 | 26才の末期の胃がん患者 積極的治療を拒否 |
辻本 良江(つじもと よしえ) | 薬師丸ひろ子 | 43才の膵臓がん患者 膵臓がんは切除するも肝臓に再発。ぎりぎりまで告知されず |
辻本 正志(つじもと まさし) | 梨本謙次郎 | 良江の夫 |
辻本 良彦(つじもと よしひこ) | 良枝の長男。中学生 | |
児玉 典子(こだま のりこ) | 藤谷美紀 | 10年前に庄司と宇佐美が担当した膵臓がん患者。 宇佐美の元恋人、享年24才 |
あらすじ
英二郎(妻夫木聡)の次の研修先は第四外科。
同期の出久根(加藤浩次)と宗形(松尾政寿)も一緒だったが、英二郎の噂を聞いていた第四外科教授・川渕(古谷一行)は、英二郎を端から「がん細胞」扱い。
しかし英二郎は「絶対に教授の意向に反することはしません」と土下座までして、なんとか受け入れてもらった。
今回の英二郎のオーベン(指導医)は、患者へのがん告知と抗がん剤の投与に積極的な外科医、庄司(阿部寛)に決定。患者からも「余命が延びた」と感謝され、次期教授候補ナンバー1。
ある日、英二郎は病院に続くいつもの坂道で自転車を必死にこいでいる主婦・良江(薬師丸ひろ子)と出会う。良枝は、総合病院からの紹介状をもって永大病院にくる途中だったのだ。
担当医師となった庄司は、カルテと紹介状を読むや否や「すい臓がん」だと告知。
良江は戸惑いながらも「治らないなら告知する訳ない」と信じ手術に同意。しかし、この手術はあくまでも膵臓にできた原発巣を切除する手術で、実は再発する可能性が高かったのだ。
方や出久根のオーベンは、抗がん剤を使っての延命治療よりも終末医療に重きを置く医師・宇佐美(石橋貴明)。担当する患者は26才という若さで胃がん末期の患者、まどか(伊東美咲)だった。
まどかは抗がん剤の副作用に苦しみ「回復の見込みがないなら治療をする意味はない」と頑なに拒み、宇佐美が終末医療を引き受けたのだ。
しかし出久根には、まどかが死を受け入れているとは思えず、宇佐美の方針に疑問を持つのだった。
そんなある日、英二郎が担当している良江の肝臓にがんが再発。がんは完全に根治したと信じきっている良江に事実は知らせず、再発防止と偽って抗がん剤の投与を始めることになったのだが、一向に効果はあらわれなかった。
英二郎は庄司に「事実を伝えるべき」と食ってかかるが、庄司は「医者には演技力も大事な能力」だと一喝。
ただ投げやりになって現実から逃げているだけのまどか(伊東美咲)と、このままでは何も知らされず死を待つだけの良江(薬師丸ひろ子)。
「命って何? 医者って一体何なんだ?」
英二郎と出久根は、それぞれに終わりのないがんとの闘いに苦悩していた・・・
口コミ
久々にブラックジャックによろしく テレビシリーズ全部見終わって スペシャル版の涙のがん病棟編も見たけど これも素晴らしかった
タカさん この作品に出演してるんだけど凄く良かった
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ブラックジャックによろしく 久しぶりに読んだけど膵臓癌患者の話はまじで涙ちょちょぎれ
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「ブラックジャックによろしく」名作だと思う。まだ最後まで読んでないけど、膵臓がんの患者さん:辻本さんには本当に感動…人間の葛藤とかすごく出てて、涙出た。
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「医療ドラマまにあ」としての感想
今は昔と違って患者が治療を選べる時代です。私は「延命治療はしない」という考えですし、その気持はここ何十年も揺らぐことはありませんでした。
今でも変わりませんが、このドラマを見て思ったことがあります。
検査結果が良かったり余命3ヶ月と言われていたのにそれ以上生きているようなことになれば、「欲」が出て積極的な治療を受けてみようと思うのではないかと。
人間の「欲」はまさに「生きる希望」です。
まどか(伊東美咲)が窓の下のチューリップの蕾を見て、「何色のチューリップが咲くのかしら..」と思った瞬間「花が咲くのを見てみたい」という希望が生まれたんですよね?
それでも現実は残酷だけど、最後の最後まで「こうしたい」「ああしたい」という希望を持つことが何より生きる力になると思うのです。
※2022.6月現在