「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」は経歴も年も違う6人の研修医たちが、初期研修の中でさまざまな診療科を回りながら、自分の進みべき道を見出していく医療ドラマです。
その中でも研修医・諏訪野良太(玉森裕太)は持ち前の洞察力を活かし、「カルテ」の中から患者の嘘と秘密を暴くという、謎解きも楽しめる新しい形のドラマに仕上がっています。
医療ドラマが好きな方、ジャニーズファンの方、現役医療従事者の方、必見ですよ。
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『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』
放送日 | 2022.10.8~2022.12.7 22:00~ |
原作 | 知念実希人 『祈りのカルテ』(角川文庫) 『祈りのカルテ 再会のセラピー』(KADOKAWA) |
脚本 | 根本ノンジ |
音楽 | サキタハヂメ |
取材協力 | 聖マリアンナ医科大学病院 |
医療協力 | セコメディック病院 四谷メディカルキューブ 若葉クリニック |
病院ロケ地 | 千葉大学医学部附属病院 他 |
電子カルテ協力 | 富士通Japan「HOPE」 |
医療監修
- 医療監修 – 中澤暁雄、新村あすか
- 精神科監修 – 岡崎味音
- 外科・救命救急監修 – 加納良彦
- 産婦人科監修 – 立花聡司(セコメディック病院)
- 総合診療科監修 – 宇藤薫(セコメディック病院)
- 循環器内科監修 – 秋田雅史(IMSグループ・新松戸中央総合病院)
- 小児科監修 – 伊藤健一郎(みらいこどもクリニック)
- 皮膚科監修 – 戸倉新樹(浜松医科大学名誉教授)
- 腎臓内科監修 – 櫻谷浩志・荒川ゆうき・川嶋寛(すべて埼玉県立小児医療センター)
- 看護指導 – 石田喜代美
主題歌
Kis-My-Ft2「想花」
キャスト
研修医
◆諏訪野 良太(すわの りょうた)/玉森裕太(Kis-My-Ft2)
純正医科大学附属病院1年目の研修医。大好物は「魚肉ソーセージ」。決め台詞は「カルテが全部教えてくれました!」
→「循環器内科」へ
◆曽根田 みどり(そねだ みどり)/池田エライザ
外科志望で同期の中ではトップ。プライドが高く気が強い
→「小児科」へ
◆冴木 裕也(さえき ゆうや)/矢本悠馬
外科医の冴木真也の息子
→父と同じ「外科」を選択
◆牧村 康雄(まきむら やすお)/濱津隆之
8歳の子供をもつおじさん研修医。40才。保育士だったが子供たちの病気を自分の手で治したいと思い一浪して医学部に入った苦労人
→地方病院の「小児科」へ
◆橘 麻友(たちばな まゆ)/堀未央奈
父親は地方の総合病院院長。優秀な医者を見つけて結婚し婿養子にしようと企んでいる
→「皮膚科」へ
◆谷川聖人(たにがわ まさと)/YU
エリート研修医。頭がよく几帳面でルーティンを大切にしている。中国語も堪能。
→「世界を羽ばたく医師になる」と公言
各診療科の医師
◆冴木 真也(さえき しんや)/椎名桔平
外科医。裕也の父親だが指導医でもある
◆立石 聡美(たていし さとみ)/松雪泰子
冴木真也と同期の精神科医。タロット占いなど占いが趣味。食堂の大盛りカツ丼が大好き。
◆木佐貫 英子(きさぬき えいこ)/斉藤由貴
産婦人科医。立石の先輩。元関東ナンバーワンのレディースだったいう噂がある
◆志村 雄一(しむら ゆういち)/勝村政信
小児科の指導医。無表情で何を考えているのかわからない
◆桃井佐恵子(ももい さえこ)/りょう
皮膚科の指導医。化粧バッチリでいつもおしゃれに気を遣う美人女医。理由は「医者は患者さんに見られる仕事」だから。
◆大賀寛太(たいが かんた)/片桐仁
腎臓内科の指導医。医局のムードメーカー。独身で多数のマッチングアプリを利用している
◆榊健太郎(さかき けんたろう)/小手伸也
総合診療科医。シャーロック・ホームズをこよなく愛し自らの仕事も「謎解き」と豪語している
◆上林晃太郎(うえばやし こうたろう)/高橋努
循環器内科医。上層部の前では強気だが、裏では小心者で弱音を吐くこともある
◆柚木慧(ゆずき けい)/観月ありさ
救命救急医。総合格闘技が大好きで病院にもサンドバッグを持参している
◆窪啓太郎(くぼ けいたろう)/高嶋政宏
緩和ケア科医。病院の花壇で花を育てている
あらすじ
医大を卒業し医師国家試験に合格した人は、最初の2年間は「初期研修」として約1か月ごとに様々な科を回り、将来進む道を決めることになります。
第1話「精神科」
◆指導医:立石 聡美(たていし さとみ)/松雪泰子
◆患者:山野瑠香(仁村紗和)25歳。睡眠薬を多量に飲み自ら119番通報して搬送される。右腕にはリストカット痕、左腕にはタバコのやけどの痕。ここ2年間、過量服薬で毎月入院を繰り返している。
諏訪野(玉森裕太)は瑠香から話を聞こうとするが、口を開こうとしない。困り果てた諏訪野はカルテをしげしげと眺める。
カルテに書かれた病名は『境界性パーソナリティ障害』。21歳の時に結婚した相手とうまくいかず2年前に離婚したあと、多量に睡眠薬を飲むようになったのがきっかけらしい。
しかし、カルテを見ていた諏訪野は、瑠香の左腕のやけどの痕が、ある文字になっていることに気付く。
気分の波が激しく感情が極めて不安定で、良い・悪いなどを両極端に判定したり、強いイライラ感が抑えきれなくなったりする症状。自傷行為を繰り返すことがある。
第2話「外科」
◆指導医:冴木 真也(さえき しんや)/椎名桔平
◆患者:近藤玄三(伊武雅刀)80才。胃がんだが内視鏡手術で切除可能。
ある日、検査前だというのにジュースを飲んでいたた近藤を諏訪野(玉森裕太)が注意すると、突然「手術をやめる」と言い出す。どうやら同じ病室の若宮(前原滉)と何やら話をした様子。
諏訪野からその話を聞いた外科部長たちは、「民間療法の業者に何か入れ知恵されたのかもしれない」という。
そんな中、みどり(池田エライザ)は、病院をうろつく沙智(豊嶋花)の様子が気になっていた。
第3話「産婦人科」
◆指導医:木佐貫 英子(きさぬき えいこ)/斉藤由貴
◆患者:小野文香(矢田亜希子)妊娠25週目で切迫早産の危険があり搬送される。職業は弁護士。
翌日、病院から知らせを受けて2人の男性が病室に駆けつける。一人は「夫の正和(森田甘路)です」というが文香は「この人とは離婚したので関係ない」という。もう一人は文香の恋人だと名乗る岡田(内藤秀一郎)。
実は文香と正和は10年前に結婚したものの、子宝に恵まれず3年前から不妊治療を始めていたが、流産してしまったという過去があり、その後離婚していた。ただし、2人が離婚したのは4か月前だから、正和は「おなかの子は僕の子です」と断言するが、岡田も「僕がおなかの子の父親です」とお互い譲らない。
おまけに文香も検査を一切拒否する始末。いったい文香は何を隠そうとしているのか・・・。
日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を「早産」と呼ぶが、切迫早産とは早産となる危険性が高いと考えられる状態、つまり早産の一歩手前の状態のことを指す
第4話「総合診療科」
◆指導医:榊健太郎(さかき けんたろう)/小手伸也
◆患者:工藤香織(堀田真由)商社勤務。コーヒーを飲んだ直後に、手指の痺れと四肢の脱力に襲われて倒れた。救急科、脳神経外科、婦人科で調べても原因が分からないという。
総合診療科では諏訪野(玉森裕太)と裕也(矢本悠馬)が一緒に総合診療科で研修していたが、香織の母、佳代(加藤貴子)は裕也が通っているパン教室の先生だった。
指導医の榊が香織に倒れる心当たりがないかを尋ねると「同期の男が薬を盛ったんだ」というが、血液検査ではそれらしい物質は検出されない。
戸惑う諏訪野の傍らで突然謎解きを始める裕也(矢本悠馬)だが、得られた情報は、香織が倒れる前日、母と一緒にナッツをつまみに赤ワインを飲んだことと、商社マンで働き者だった父が5年前に心筋梗塞で他界したことだけ。
父親のことは発作とは関係がないように思われたのだが・・・。
第5話「循環器内科」
◆指導医:上林晃太郎(うえばやし こうたろう)/高橋努
◆患者:愛原絵理(成海璃子)『特発性拡張型心筋症』。職業は「女優」。補助人工心臓装置が必要なほど状態が悪いため、アメリカでの心臓移植を希望している。
循環器内科では諏訪野(玉森裕太)とみどり(池田エライザ)が研修中だったが、絵理のマネージャーから「あんたたち研修医なんでしょ。見習いってことですよね?」一撃される。絵理にも「私がここに入院していることは、絶対に外部に漏らさないで!」と釘を刺される始末。
そんな中、カルテを見ていたみどりはあることに気づく。絵理は腎炎で入院している沙智(豊嶋花)の姉だったのだ。もちろん沙智は姉が同じ病院に入院していることなど、知る由もなかったのだが・・・。
心臓の筋肉がぺらぺらに薄くなり拡張して収縮力が低下する病気。収縮力、拡張の程度もさまざまでほとんど症状のないものから、動けないほどの重症なもの、突然死するものまでさまざまだが、重症の心不全症状で延命、救命のできない場合は心臓移植が唯一の治療法となる。
第6話「小児科」
◆指導医:志村 雄一(しむら ゆういち)/勝村政信
◆患者:姫井姫子(金子莉彩)8歳。たびたび強いぜんそく発作を起こす。最初の発作は3歳で、その後は落ち着いていたものの1年前から再び発作を起こすようになり、今年だけで3回入院しているという。
姫子は入院するなり、「この病院怖い。だって魔女がいるから」と言って窓の外を指すが、もちろん誰もいない。また不思議なことに、姫子の血液には普段発作をおさえるために飲んでいるはずの薬の成分が検出されないのだ。
母親に聞いても「昨日と一昨日は夫が薬の当番だった」としか言わず、なんだか怪しい。同期の谷川(YU)は「飲ませ忘れたんじゃない?」というが諏訪野は腑に落ちない。
そんなある日、姫子が姿を消す。諏訪野たちが必死に探していると、姫子は志村と手を繋いで現れ、「笛の音についていったら道に迷っちゃって。もう怖くないから大丈夫」などとおかしな事を口走るのだった。
第7話「救命救急科」
◆指導医:柚木慧(ゆずき けい)/観月ありさ
◆患者:秋田竜也(やべきょうすけ)。駅前の繁華街で「動けなくなった」と自ら119番通報し、救急隊員が到着したところで意識消失した。軽い糖尿病の疑いあり。本人は純正医大が「かかりつけ医」だと申告したため搬送された。
研修中の諏訪野は、柚木の指示でブドウ糖を投与したものの激しいけいれん発作、すぐさま抗けいれん剤のジアゼパムを投与し、ようやくけいれんは治まった。
実はこの患者は、1年前にも「ウイルス性胃腸炎」で運ばれたことを諏訪野は覚えていた。当時、入院は必要ないと説明すると、「俺が元ヤクザだから追い出すのか?いいからさっさと内科に入院させろ!」とわめき散らしたから記憶に残っていたのだった。
今回も、薬物中毒を疑い尿検査をすすめる諏訪野に対し「俺がシャブをやってるっていうのか!」と逆上されてしまう。
第8話「皮膚科」
◆指導医:桃井佐恵子(ももい さえこ)/りょう
◆患者:守屋春香(山崎紘菜)右ふくらはぎにかなりの熱傷。自宅で揚げ物をしている最中に、煮えた油をひっくり返してしまったという。やけどは広範囲に及び、皮膚移植が必要。
実は諏訪野は「油をひっくり返してしまった」という彼女の言葉に疑問をもっていた。なぜなら春香は搬送時にロングスカートをはいていたが、油がかかったはずなのにスカートは汚れていなかったし、おまけに春香の勤務先は、昨日放火があった場所の近くで、春香の年齢やダウンジャケットの色も犯人の人相にそっくりだったからだ。
ある日、諏訪野が春香の処置をする際、やけどの横にあった「黒いシミ」を見つけたが、痛みもあうという。その晩、街では再び放火事件が発生したが彼女も病室から消えていた。
第9話「腎臓内科」
◆指導医:大賀寛太(たいが かんた)/片桐仁
◆患者:桐生鈴音(植原星空)17才。末期の腎不全で3年前から血液透析を受けているが、生体腎移植手術を行う予定。
ドナーは母親の麗香(松永玲子)。もちろん移植には積極的だが、それには深い事情があった。鈴音は有名ホテルチェーンの御曹司と婚約中で、結婚すれば、麗香が経営する『桐生』と業務提携することになり、赤字が解消されるという思惑があるからだ。
ところが、移植前の検査で肝臓の数値に異常が見つかり、手術が延期されることになったため母親は大慌て。なぜなら鈴音が元気になることが結婚の条件らしい。
その後、肝臓の数値も落ち着いたため手術にゴーサインが出されたが、今度はドナーになる麗香の心電図に心房細動が見られて再び延期に。移植手術が決まるたびになぜ異常が起きるのか。偶然ではないのか・・・?
健康な人から2つある腎臓の1つを摘出しレシピエントに移植する方法。日本では従来から献腎移植(脳死又は心停止した方から腎臓提供される移植)の提供者が少なく、生体腎移植が主に行われている。
最終話「緩和ケア科」
◆指導医:窪啓太郎(くぼ けいたろう)/高嶋政宏
◆患者:広瀬秀太(原田泰造)悪性中皮腫によるステージ4の末期がん患者。
ある日、昼休憩を終えた諏訪野は、警視庁捜査1課の桜井(山崎一)から声を掛けられる。
24年前、広瀬はとある会社に強盗に入り、警察官に暴行を働いた罪で7年間服役していたという。さらに「この事件、実は冤罪かもしれないんです。金は盗んでいないのかもしれない。もしそうだとしたら、僕は取り返しのつかないことをしてしまった…」と。
自責の念に駆られる桜井は、定年を迎える前にけじめをつけたいと考え、広瀬に接触を試みるも、会ってくれないから、会ってくれるように説得してほしいと諏訪野に頼みに来たのだ。
なぜ自分が、と尋ねる諏訪野に、「諏訪野先生、広瀬さんの息子さんですよね」と…。
肺を包む膜(胸膜)や、おなかの内側(腹腔)を覆う腹膜などに並んでいる中皮細胞から発生する悪性腫瘍(がん)のこと。発生する場所によって、悪性胸膜中皮腫、悪性腹膜中皮腫、などに分けられる。
『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』の楽しみ方
◆動画配信サービスで見る
2023.4月時点で『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』が見られるのは、Huluのみです。
◆DVDを購入する
◆原作を楽しむ
玉森君が出ているドラマもいいけど、この作品は、現役医師が執筆しているせいか原作のほうが描写が丁寧で面白い。すっきり謎解きもできる!
30歳になった諏訪野良太が、医学生時代の同級生で親友でもある「小鳥遊優」と彼の勤める病院の女性研修医「鴻ノ池舞」と再会し、研修医時代を回想する物語。ちなみに「小鳥遊優」と「鴻ノ池舞」は、「天久鷹央」シリーズの主人公。
最後に
「祈りのカルテ」がスタートした2022.10月期は、「PICU小児集中治療室」「ザ・トラベルナース」、そして「祈りのカルテ」と医療ドラマが目白押しでした。
ちまたの評判では「PICU」が一歩リードした感があり視聴率も今一つの伸びでしたが、毎回違う診療科や病名、またクセの強いドクターなど、医療ドラマ好きの私にとっては見ごたえ十分でしたよ!
ジャニーズが医者?などという苦言もあったようですが、大ヒットした「コード・ブルー」だって主人公は元ジャニーズですからね。みなさん芸達者だし、こういう作品を経て大きくなっていく姿に思わず応援したくなるのは私だけでしょうか。
前述しましたが、この作品は原作を読むともっと面白くなります。医療ドラマ好きが自信をもっておすすめする一冊ですよ。