堺雅人『パンドラ~永遠の命~』で見る人クローンを作ってはいけない理由

ドラマ
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ドラマWスペシャル『パンドラ~永遠の命~』は、WOWOWで2008年から放送されたドラマシリーズの一つです。ちなみに、

  • 第1シリーズ『パンドラ』は「がんの特効薬」
  • 第2シリーズ『パンドラII 飢餓列島』は「遺伝子組み換え作物」
  • 第3シリーズ『パンドラIII 革命前夜』が「自殺防止治療法」
  • スペシャルドラマ『パンドラ~永遠の命~』が「クローン技術」
  • そして第4シリーズ『パンドラIV AI戦争』が「AI(人工知能)」

と、人間の命と医療の進歩を取り上げた、ある意味で未来を予言する作品ばかりです。

今回はその中でも「人クローン」という、踏み入れてはいけないが決してフィクションではない近未来を描いた『パンドラ~永遠の命~』をご紹介します。

主演はすっかり医師役が板についている堺雅人。おまけに地上波では取り扱えないようなサスペンスが得意なWOWOWの作品とあらば面白くないわけがありません。

思わず「えっ!」と叫んでしまった意外な展開に乞うご期待!

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ドラマWスペシャル『パンドラ~永遠の命~』

放送日2014年4月27日 22:00 – 24:15
脚本井上由美子、河毛俊作
演出河毛俊作
音楽佐藤直紀
制作WOWOW、共同テレビ

医療監修・撮影協力

医療監修恩田秀賢
婦人科監修中山広栄
警察監修古谷謙一
撮影協力埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター
神戸学院大学ポートアイランドキャンパス
神戸税関
淡路島

キャスト

役名キャスト役柄
鈴木元堺雅人天才医師。かつて港東大学で再生医療の研究を続けていたが、ある理由から大学を追われ地方の診療所に勤務している
田代なつみ尾野真千子田代めぐみの妹。フリーのライター
塚越洋一石黒賢港東大学医師。IPS細胞の権威
神宮悟鈴木浩介大泉が雇った殺し屋
田代めぐみ伊藤歩元キャバ嬢
田代新児髙橋來(子役)鈴木のクローン技術によって誕生した6才の男の子
榊原道隆伊武雅刀港東大学教授で鈴木の元上司。自分の名誉のために政治家と癒着し、鈴木や塚越の研究成果を利用する
黒岩忠嗣高橋克実神奈川県警捜査一課の警部補
大泉竜作中村敦夫政治家。榊原とつるんで港東大学に助成金を優遇している

あらすじ

港東医大で生殖医療の研究を続けている鈴木元(堺雅人)は、上司である榊原(伊武雅刀)公認の上、本来タブーとされている人クローンの研究を続けていた。

ある日榊原は、鈴木から「クローン胚」の核移植に成功したと告白される。それがもし本当なら世界を震撼させるほどの快挙だ。

とはいえにわかには信じられない榊原は、「クローン胚」を着床させたという女性を連れてくるように命じるが、その女性はこつ然と姿を消し7年後に遺体となって発見される。

転落死したその女性は、田代めぐみ(伊藤歩)という名で、神奈川県警の調べでは自殺か他殺かはっきりしないというが、遺体のそばにはめぐみの子供と思われる男の子、新児しんじ(高橋來)が立っていた。

やがて、唯一の肉親である妹のなつみ(尾野真千子)が現れ、新児を引き取ることになったが、そこへ「父親の自分が新児を引き取りたい」と鈴木(堺雅人)が名乗り出る。

突然の申し出に一旦は断るも、鈴木の新児に対する執着にただ事ならぬ違和感を感じ、その日から3人の奇妙な共同生活が始まる。

やがてその事実は榊原(伊武雅刀)の知るところとなり、驚きと同時に神の領域に踏み込んでしまった鈴木に恐怖さえ覚えるようになる。

クローン人間が誕生し6年間も成長していたことがわかれば、大学の名誉以上に倫理的に追求されることは避けられないからだ。

一方、IPS細胞の権威として時代の寵児などと囁かれていた塚越(石黒賢)にとっても、自分を超えた研究者の存在を疎ましく思い、新児を連れ去るのだが・・・。

見どころ

堺雅人さんの演技

堺雅人さんといえば「半沢直樹」のイメージが強いかと思いますが、その野心に燃えた意欲あふれる目つきでも、大河ドラマの山南敬介役の優しい目でもなく、一見冷酷で恐怖心さえ覚える目力はさすがとしか言えません。

医者役としては「ジェネラル・ルージュの凱旋」がありますが、「血まみれ将軍」としてオロオロしていた弱々しさはどこにもありません。

このドラマは主役が堺雅人さんでこそ見ごたえがあったと思います。

鈴木元はどのようにしてクローン胚を作ったか

多少ネタバレになってしまいますが、彼は自分の太ももにメスを入れ十文字に削られた皮膚を培養し、クローン胚を作りました。

もともと細胞というのは、皮膚なら皮膚、目なら目と進化するものを、核を取り除いた未受精卵に融合させ一度初期化することで、人体のほぼ全ての細胞種になる能力を備えているのだとか。

実はこの細胞、今ではまるで箝口令が引かれたように聞かなくなった「STAP細胞」といわれるもので、当時世間を騒がしたのもドラマが制作されたのも2014年。

あの論文が認められていれば、世界は変わっていたのでしょうか。

新児役の高橋來くんの演技

「新児」役の高橋來くんは2013年にデビューしたばかりで、当時は若干5才の子役でした。

ただし彼はこのドラマの鍵を握る重要人物としてセリフも多く、長いセリフは若干たどたどしかったものの、子供なんだからあまり流暢じゃないほうが自然だという考えから、何度も撮り直しをせず一発OKで撮影したのだとか。

ストーリーが進むにつれて、「新児」は生命が本来持つ「セルフィッシュ遺伝子=強い者が生き残る」という本能を発揮するようになって人間離れした行動が多くなります。顔つきもどことなくシャープになってくるから不思議なものですね。

この作品のあとは「相棒」「科捜研の女」「世にも奇妙な物語」「駐在刑事 Season2」などスター役街道まっしぐらでしたね。

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パンドラ~永遠の命~はどこで見られる?

「パンドラ~永遠の命~」を含む「パンドラシリーズ」は全て、TSUTAYA DISCASで見ることができます。ちなみに返却期限はありません。

使い方は簡単!

  1. TSUTAYA DISCASに登録する
  2. ポストインで届く
  3. 見終わったら上記の袋に戻して郵便ポストへポン!
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「医療ドラマまにあ」としての感想

クローン技術の開発については、遡ること1996年7月5日にクローン羊「ドリー」が誕生して以降、馬や牛などの大型動物のクローンも誕生し、今や映画の中の話ではありません。

実際、クローンが体外受精、代理母、養子などの不妊治療の一つとして議論が交わされているといいます。

とはいえ多くの開発者ですら「科学者が遺伝子の活性をコントロールすることはできない」と延べ、現にドリーにも染色体異常がみつかり6才で死亡。

このドラマの「新児」も成長するにつれて、どこか人間を超えた超能力的な力を発揮するようになることから、人クローンが誕生したとしても、その後の遺伝子の活性化は神のみぞ知るということなのでしょう。

ラストシーンもまさに「神のみぞ知る」というエンディング!

ひょっとして今も世界のどこかで、大人になった「新児」が微笑んでいるかもしれませんよ。

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