平均視聴率 20.3%という高い視聴率を獲得した、中居正広主演の「白い影」。医療ドラマ好きではなくても見たことのある方が多いでしょう。クライマックスも衝撃的でしたからね。
ドラマの続編である「白い影 その物語のはじまりと命の記憶」は、中居正広演じる直江庸介が、東京の病院で志村倫子(竹内結子)に出会う以前の物語を描いたスペシャルドラマです。
今回は、ドラマのキャストやストーリーなどを振り返りながら、見どころをたっぷりとご紹介しますね。
是非、最後までごらんください!
ドラマスペシャル「白い影 その物語のはじまりと命の記憶」
基本情報
放送日 | 2003年1月2日 21:00~ 23:24 |
脚本 | 龍居由佳里 |
音楽 | 長谷部徹 |
企画 | 伊佐野英樹 |
プロデューサー | 伊與田英徳 |
医療指導 | 堤邦彦、嶋田謙 他 |
撮影協力 | 北海道大学 ホテル日航千歳 支笏湖観光ホテル 湖水館 社団法人 千歳観光連盟 |
主題歌&挿入曲
◆主題歌
竹内まりや「真夜中のナイチンゲール」
竹内まりやさんは実際に中居くんと会ってからこの曲を作ったそうですよ。名曲ですよね。
『あなたの瞳に映る 哀しみの理由を教えて ふいに見せる微笑みが どこまでも淋しいのはなぜ..』
◆挿入曲
ドラマの至る所に随所に出てくるクラシック音楽。悲しみや恐怖の中にも祈りや希望の心が感じられて、まさにこのドラマにぴったりの名曲です。
マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調より 第4楽章(アダージェット)
マスカーニ オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(アヴェ・マリア)
キャスト
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
直江 庸介 | 中居正広 | (長野)七瀬病院外科医。札幌の病院を辞めて転職してきた |
志村 倫子 | 竹内結子 | (東京)行田病院看護師。直江の恋人 |
坪田 鉄平 | 高嶋政伸 | 七瀬病院外科医。直江の先輩医師 |
森 玲子 | 純名りさ | 七瀬病院医師。直江の先輩医師 |
七瀬 隆弘 | 山本學 | 七瀬病院院長。直江の恩師 |
七瀬 千鶴子 | 大森暁美 | 七瀬隆弘の妻。直江を学生の頃から知っている。すい臓がんが再発 |
大沢 真琴 | 倉沢桃子 | 七瀬病院の入院患者。悪性の脊髄腫瘍。16才の高校生で直江に恋心を抱いている |
大沢 あつ子 | 相本久美子 | 真琴の母 |
水野真紀 | 直江の母 |
ストーリー
庸介(中居正広)が支笏湖で自死してから2年。倫子(竹内結子)はその日、支笏湖畔で庸介の恩師、七瀬(山本學)と偶然出会い、庸介の思い出を振り返っていた。
「目の奥に隠しようのない暖かさを持っていた彼を覚えていますか・・・?」
彼がどんな人生を歩んできたのか、そしてなぜ彼は支笏湖に身を沈めたのか。
そこには、ある一人の少女との出会いや自分の生い立ちなど、時をさかのぼって庸介の心の闇が隠されていた・・・。
見どころ
◆挿入歌と中居くんのナレーション
この作品は、終始中居くんのナレーションが流れ、挿入歌のクラシック音楽と相まってまるで美しい詩を聞いているような錯覚に囚われる。目をつぶっていてもその光景が目に浮かぶような作品です。
◆直江先生の医者としての生き方
直江先生は当初札幌の大学病院で医師をしていましたが、大学病院がどちらかというと臨床より研究の場であることに違和感を感じ、長野の小さな病院に転職。直江先生曰く、「この日僕は医者を辞め、医者になろうと思った」と語ります。
七瀬病院は小さいけれど、どの医師も暖かく常に患者と向きあう医療をしていて、それはまさに庸介の目指すものでした。半年も立たないうちに彼の目には輝きが戻り、医者としてのやりがいを感じる日々が続きます。
大学病院の先生だから腕が良いわけじゃない。意外と近所のクリニックに良い先生がいたりしませんか?
◆大沢真琴(倉沢桃子)との出会い
真琴は16才の高校生。バスケ部に所属してまさに青春真っ盛りでしたが、練習中に足がもつれて転倒し救急搬送。悪性の脊髄腫瘍が見つかります。
彼女はもう一度バスケの試合に出るという夢を持ちながら前向きに生きようとしますが、実際手術してみると腫瘍は広範囲で癒着も酷く、半分は取り切れずそのまま閉腹。根治は絶望的でした。
16才という年齢と精神的ダメージを考え、本人には「手術は成功した」と説明。
庸介は嘘をつくことの罪悪感を感じながらも、「嘘を突き通すことが生きる希望を与える」という信念のもと最後まで「優しい嘘」を突き通します。
その頃真琴は、庸介に初恋に近い思いを抱いていました。「もし手術が成功したら、直江先生と初めてのキスをしたい」と告白。
意識も混濁し、あと一週間も持たないだろうと思われたその日、庸介は真琴の最期の望みを叶えてあげるのです。
「これが今の僕ができる、真琴にあげられるたったひとつの未来だから」
庸介はこの頃からたびたび腰の激痛に襲われていた…
◆自分の病気との戦い
庸介の腰痛の原因は「多発性骨髄腫」。七瀬病院に来たばかりの頃、同じ病気の患者を早期発見し一年後には完全寛解させるという経験があったにも関わらず、自分が同じ病気に冒されるという非常な運命。
さすがの庸介も、当初はこの運命を受け入れられず、イライラして周りに当たり散らしたり酒に溺れるようになります。
庸介が死という恐怖から一瞬でも逃れられるとすれば、オペに集中している時、酒で意識をなくしている時、そして好きでもない女を抱いている時。
昔から「医者の不養生」という言葉がありますが、医者だから病気にならないわけじゃない。ドラマでもかなり前から腰の痛みを感じていましたから、早期発見という意味では本人も相当悔やんでいた様子。
◆庸介にとっての支笏湖
札幌生まれの庸介は、幼い頃に父を亡くし母(水野真紀)の手一つで、姉と一緒に育てられました。そんな庸介にとって支笏湖は忘れられない場所。
あの日、父が急死して憔悴しきっていた母が、庸介と姉をつれてたどりついた場所だから。
庸介はこう思います。
「お父さんが死んだ時、お母さんに連れてこられた場所。お母さんも死ぬつもりだったのかもしれない。」と。
でも、母はしばらく湖を眺めたあと、
「自然はすごいね、自然は生きる力をくれるの。だからお母さんはもう大丈夫」と言って子供たちを抱きしめるのです。
庸介はその記憶が頭から離れない。そして決心します。
「母が、真琴が、僕に『逃げるな』と言っている。僕はこの湖に弱い自分の心を沈めよう…」
◆ラストシーン
庸介が東京の行田病院で新しい人生を歩むところで、倫子(竹内結子)と七瀬(山本學)が思い出話を語るシーンに戻ります。
二人の思い出話は決して悲壮感が漂うものではなく、倫子いわく「ここに来るとホッとするの」というくらい和やかなものでした。
二人が湖畔で時間を忘れて長々と思い出話をしているところに一台の車が到着。
「お母さんなかなか帰ってこないから、息子さんぐずっちゃって・・・」
「あ~ごめんごめん、寂しかったね。ごめんね、ヨウスケ・・・」
「白い影 その物語のはじまりと命の記憶」はどこで見られる?
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最後に
今回は、ドラマ「白い影」の続編である、ドラマスペシャル「白い影その物語のはじまりと命の記憶」の見どころについて解説しました。
「白い影」は1973年にも田宮二郎主演でドラマ化されていますが、中居版の方が恋愛ドラマ色が強く、若い世代に人気を博したのでしょう。
題名にも「その物語のはじまりと命の記憶」とあるように、この作品を見てから庸介がなぜ支笏湖に身を沈めたのか、そしてそれは決して悲観的な選択ではなかったように思えてなりません。
余談ですが約20年前の作品ですので、キャストの皆さんが若い!数々の医療ドラマに登場している山本學さんもおそらく全盛期の頃だし、中居くんもピチピチしてる。
キャストの「今・昔」はなつかしいドラマを見る楽しみの一つでもありますね。