大学病院の解析診断部に所属する7名の女性医師たちが、原因不明の病の謎を解き明かす「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」。
患者の主訴から疑われる病気を絞り込み、適切な検査を経て一つ一つ疑いを消し去り確定診断していく様子が面白く、全話いっきに視聴してしまったほどです。
それもそのはず、制作スタッフは『チーム・バチスタシリーズ』の面々。
当時はドクターX(第4期)に押され気味でしたが、実は知る人ぞ知る本格的医療ドラマです。
見始めたら止まりませんよ!
「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」
放送日:2016年10月11日~12月13日 火曜よる9時~ フジテレビ
スタッフ
脚本 田中眞一 長谷川徹
音楽 原田智英
演出 星野和成 今井和久 小野浩司
プロデューサー 安藤和久、豊福陽子(関西テレビ)、遠田孝一、布施等(MMJ)
制作 カンテレ MMJ
主題歌 AI「ミラクル」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
医療監修・医療指導
医療監修 生坂政臣(千葉大学)
医療指導 山本昌督 中澤暁雄
資料提供協力 千葉大学検査部細菌検査室(第8話)
ロケ地
日本大学商学部(東光大学病院外観)
東千葉メディカルセンター(白州会西東京総合病院の外観)
パークアクシス豊洲キャナル
ポール・ラッシュ・アスレティックセンター
社会医療法人青虎会 フジ虎ノ門整形外科病院
他
キャスト
橘 志帆(たちばな しほ)/吉田羊
東光大学病院解析診断部の医師。シングルマザー。脳外科医だが手術でのトラウマが原因でメスを持てなくなり、手術をしない解析診断部へ異動する
新田 雪野(にった ゆきの)/相武紗季
東光大学病院解析診断部の医師。腕はいいが愛想がなくそっけない性格。もともと心臓血管外科の医師だったが医療ミスを疑われて異動を命じられた
田丸 綾香(たまる あやか)/吉岡里穂
東光大学病院解析診断部の研修医。児童養護施設で育ち奨学金で医大に入学した。真面目な性格で橘に振り回されながらも医師として成長していく
里見 藍(さとみ あい)/白鳥久美子(たんぽぽ)
東光大学病院解析診断部の医師。救急救命医。解析診断部の中では唯一救命救急の経験があり緊急時の判断にすぐれている
植松 結衣(うえまつ ゆい)/滝沢沙織
東光大学病院解析診断部の医師。病理医。仕事に誇りを持っておりプライドも高い。イケメン好き。
村上 夏海(むらかみ なつみ)/笛木優子
東光大学病院解析診断部の医師。神経内科医。自身の見栄のために部長の葉子に媚を売る
岩倉 葉子(いわくら ようこ)/伊藤蘭
東光大学病院教授。内科医で解析診断部の部長。次期院長の座を狙っている。テレビ番組『お助けドクターSOS』にレギュラー出演。決め台詞は「お天道様は誤魔化せても私のこの目は誤魔化せない」
北畠 昌幸(きたばたけ まさゆき)/高橋克典
東光大学病院院長。経営再建策の目玉として解析診断部を設置、橘をスカウトしてきた。常に笑顔で優しく何事にも動じない
佐々木 進也(ささき しんや)/戸次重幸
東光大学病院事務長。岩倉と手を組み、現院長失脚のチャンスを虎視眈々と狙っている。
高杉 祐樹(たかすぎ ゆうき)/小林且弥
東光大学病院の心臓血管外科医。新田の元カレ
藤本 修二(ふじもと しゅうじ)/池岡亮介
東光大学病院看護師
渡辺 弘(わたなべ ひろし)/五十嵐健人
東光大学病院看護師
宮部 航平(みやべ こうへい)/庄野崎謙
セロニアス製薬のMR。研修医の田丸に片思いしており、振り向いてもらおうとどんな協力も惜しまない
橘 真央(たちばな まお)/藤澤遥
志帆の娘。2年前に起きた爆発事故に母と一緒に巻き込まれ負傷する。志帆が行き詰っている時には必ずヒントをくれる大切な存在
あらすじ
※ネタばれあり
第1話 手術をしない天才外科医!! 原因不明の病を推理
志帆(吉田羊)は出勤途中に腹痛を訴え吐血した保育園児の宏太を東光大学病院へ搬送、検査の結果、胃の中に釘と土を発見する。
本人の話から淋しさが原因の「異食症」であることを突き止め一件落着するも、その後状態が急変。あろうことか親子同時に心不全を発症する
主訴と症状 母:嘔吐、頻脈 重度の貧血 不整脈なし 子:呼吸困難 スプーン爪 鉄欠乏性貧血
二人とも遺伝性球状赤血球症を持っている
疑われる疾患 ラジオネラ肺炎 感染症 アレルギー 再生不良性貧血
確定診断 子:鉄欠乏性貧血+無形性発作による心不全 母:子供が保育園で伝染性紅斑(リンゴ病)に感染し、ヒトパルボウイルスが母に伝染したことにより貧血が急性憎悪、心不全に至った
第2話 母想いの水泳選手が謎の病
オリンピックでのメダルが期待されている競泳選手の南野(浅香航大)が、全身の倦怠感と筋力低下を訴え、城北神経研究センターにてALSと診断された。納得できない南野はセカンドオピニオンを求めて東光大学病院に検査入院してくる
主訴と症状 全身倦怠感 筋力低下 喉の渇き 血尿 自転車の転倒事故で頭部を強打した経験あり 腱反射なし 腰椎穿刺異常なし 血中のCK値上昇
疑われる疾患 ALS ギランバレー症候群 CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎) 重症筋無力症 頚椎症 キアリ奇形
確定診断 ドーピングを隠蔽するため利尿薬を常用していたことが判明→低カリウム血症
第3話 ハロウィーン集団発症事件簿
ハロウィーンの夜、仮装した女子高生6人が痙攣・嘔吐を訴え東光大学病院に救急搬送される。当初は食中毒が疑われたが、理恵(久保田紗友)だけが重篤、朋美(唐田えりか)は全く症状が現れていない。志帆(吉田羊)はやがて、理恵と朋美が他の4人からいじめを受けていたことを突き止める。
主訴と症状 けいれん 嘔吐 じんましん 理恵は気道閉鎖による呼吸困難
疑われる疾患 食中毒 薬物中毒 感染症 アレルギーによるアナフィラキシー
確定診断 ラテックス・フルーツ症候群によるアナフィラキシーショック
理恵が4人を懲らしめるため仮装用の血糊カプセルに毒性がある「アジ化ナトリウム」を混入させたこと、また混入時にラテックス製ディスポ手袋を着用したことが原因
第4話 対決! 女医と女将と大女将
志帆(吉田羊)はある日、道端で草をむさぼるように食べる静香(黒田福美)を見かける。静香は入居している特別養護老人ホームから脱走することを繰り返していた。実はその女性は東光大学病院が接待でよく利用する料亭「真田」の大女将だった。娘の芽依(小西真奈美)は若年性認知症だというが、志帆(吉田羊)は疑問を抱く。
主訴と症状 歩行困難 胸が苦しい(2年前から) 攻撃性の増加 アーガイルロバートソン瞳孔 ウォーターハンマーパルスあり
疑われる疾患 ヤコフ病 ピック病 脳梗塞 パーキンソン病 正常圧水頭症 慢性硬膜下血腫 ビタミンB欠乏症
確定診断 神経梅毒 10年くらい前から進行していたと思われる
第5話 頻発する脳梗塞の謎を発見
奥山(桐山漣)は、立ち入り禁止の表示がある工事中の展望台から転落したが、一命を取り留める。当初は自殺が疑われたが本人はただの事故だと主張。確かに出産間近の妻がいることもあり自殺は考えにくかった。
主訴と症状 どうみても自殺としか思えない行動だが本人は事故だとの一点張り。
MRI→右頭頂葉に梗塞あり(半側空間無視) 自分の意思とは関係なく腕や手が勝手に動いてしまう→エイリアンハンドシンドローム
疑われる疾患 薬物 脳虚血性発作 睡眠時無呼吸症候群 ナルコレプシー 精神疾患
確定診断 卵円孔開存症
第6話 医療ミス!? 度重なる心不全
拡張型心筋症を患っている北村詩織(高橋かおり)が救急搬送される。詩織は1年前に新田と高杉がそれぞれセーブ手術を行った患者だった。夫である国会議員の英一郎(飯田基祐)は医療ミスだと騒ぎ立てる。
主訴と症状 拡張型心筋症による急性心不全 2度セーブ手術を受けている
※セーブ(SAVE)手術とは、動きの悪い心室中隔側を細長いパッチで外側に追いやり左心室を小さくする手術のこと
疑われる疾患 サルコイドーシス シャーガス病 ミトコンドリア症候群 脚気心
確定診断 ファブリー病
第7話 治療するたびに悪化する病
街中で倒れた神田(田中幸太朗)が救急搬送されるも、救命が手いっぱいだったため解析診断部に回されてきた。かつて救命救急にいた里見(白鳥久美子)が低血糖だと診断してぶどう糖の点滴をするも、痙攣発作を起こしてしまう。脳炎の可能性も考え抗ウイルス薬を投与したが、今度はその副作用で腎不全を発症する。
主訴と症状 全身けいれん 低血圧 錯乱 後頭部痛
疑われる疾患 脳腫瘍 血管障害 脱水
確定診断 ビタミンB1不足によるウェルニッケ・コルサコフ症候群
第8話 人食いバクテリアに感染!?
部長の岩倉(伊藤蘭)が『お助けドクターSOS』に出演中、共演の俳優・堂島(大和田伸也)が腹痛と右腕の激痛を訴えて倒れる。マネージャーは、前日にロケで行った廃墟になった温泉旅館の呪いではないかと言うのだ。
※この回は吉田羊が体調不良のため出演なし
主訴と症状 腹痛 右腕の痛み 発赤 発熱 C型慢性肝炎の既往症あり。右腕は壊死性筋膜炎を発症しており24時間以内に患部を切除しなければ命が危ない→メロぺナム・バンコマイシン効果なし
疑われる疾患 劇症型溶連菌感染症 ぶどう球菌 人食いバクテリア
確定診断 ビブリオ・バルニフィカス感染症
温泉旅館の井戸水に触れたことにより発症
第9話 運命の小さな患者との再会
ピアノコンクールの最中に12歳の小学生・ひかり(根岸姫奈)が意識不明でけいれんを起こして運ばれてくる。ひかりは2年前、志帆(吉田羊)と娘の真央(藤澤遥)が巻き込まれた爆発事故で志帆が助けた少女だったのだ。
主訴と症状 けいれん発作 意識消失
疑われる疾患 低血糖 低ナトリウム血症 ポルフィリン症 海馬硬化
確定診断 もやもや病による冠攣縮性狭心症→直接バイパス術が理想
最終話 天才外科医ついに復活!
志帆(吉田羊)には2年前の事故で発症したと思われる外傷性の脳動脈瘤があった。
志帆がこれまで医師を続けてこられたのは、脳動脈瘤によって出現した真央の幻覚に支えられてきたからだ。
ひかりを助けるためには志帆のオペが必要だが、そのためには脳動脈瘤を摘出しなければならない。ひかりを助けるかこのまま真央の幻覚とともに生きるか。志帆は究極の決断に迫られる…
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最後に
あらすじで一部ご紹介しましたが、このドラマは病名や検査データ、使用した薬剤など、医学的な専門用語がふんだんに盛り込まれています。
医療ドラマという視点で見なければ多少難しく感じる方もいらっしゃると思いますが、これほど丁寧に医学要素が盛り込まれている脚本は、そう多くはありません。
特に最近の医療ドラマは医学的な側面よりサスペンスやミステリー色の強いものが多く、医学に特化した謎解きという点では、もっと評価されるべきドラマだと思います。
加えて、その謎を解くのが7名の女医であり、女性ならではの視点や心遣いが医療を身近なものに感じさせ、涙を誘うストーリーとなっています。
特に最終回は日本中のお母さんに見てほしい。
「私が見えなくなることがそんなに怖いの?
(母の心臓部分を指して)私はいつもここにいるじゃない!」
母子の愛情を感じられるドラマです。では、どうぞ。