臓器移植のドラマ「CO移植コーディネーター」で見る移植医療の現実

移植コーディネーター ドラマ
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連続ドラマ「CO移植コーディネーター」は、ドナーとレシピエントをつなぐ架け橋となる「移植コーディネーター」という仕事をテーマにした本格医療ドラマです。

主演は吉岡秀隆。ソフトな物腰ながら脳死の家族と向き合う真剣な眼差しは、「コトー先生」とは一味違う力強さも感じます。

内容はフィクションですが、実際の移植までの流れや、なかなか進まない日本の移植医療の裏側も垣間見ることができるドラマ「CO移植コーディネーター」。

医療ドラマ好きの方には絶対見て欲しいドラマの一つです。

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連続ドラマ「CO移植コーディネーター」

スタッフ

放送日2011年3月20日 – 4月17日(全5回)
日曜 22:00 – 23:00
監督生野慈朗
内片輝
塚原あゆ子
脚本秦建日子
生野慈朗
蒲田幸成
猪原健太
清水友佳子
音楽佐藤直紀
医療監修長谷川 剛
林 泰広
堀エリカ
(医療コーディネータージャパン)
撮影協力公立福生病院
越谷市立病院
鶴川記念病院
榛原総合病院
製作WOWOW

キャスト

役名キャスト役柄
大野達郎 吉岡秀隆臓器移植コーディネーター。妹を19歳で亡くしている
倉本和史ユースケ・サンタマリア臓器移植コーディネーター
倉本百合矢田亜希子倉本の妻
倉本真鈴木福倉本の一人息子。6歳。
竹ノ内慎太郎平田満竹ノ内総合病院院長。臓器移植を進めるためには手段を選ばない
斎藤利通 橋爪功斎藤製薬会長。病院と癒着し免疫抑制剤の卸を独占している
林加奈子板谷由夏週刊ヘッドライン記者。臓器移植にまつわる病院の闇を追いかけている
手塚健藤本哉汰ドナーの少年。転落事故で脳死状態。虐待が疑われている
手塚由比木村佳乃健の母
手塚隆弘利重剛健の父
須藤亜季尾野真千子夫が交通事故で脳死状態。自分も腎臓病を患っており、週に3回透析をうけている
村田丈雄中原丈雄亜季の義父
紺野智恵 木南晴夏母が脳死状態だが、母とは何年も会っていない
立花海斗 木村聖哉レシピエント(拡張型心筋症)の少年。6歳。4年間入院しながら移植の順番を待っている
立花美樹麻生祐未海斗の母
榎本省吾豊原功補目黒中央署の刑事

※「ドナー」=臓器を提供する側 「レシピエント」=臓器提供を受ける側

あらすじ

第1話

移植コーディネーターの大野(吉岡秀隆)と倉本(ユースケ・サンタマリア)は病院では死神と呼ばれている。なぜなら彼らがいるところには必ず脳死患者がいるからだ。

ある日30才の男性が、透析に通う妻、亜季(尾野真千子)を病院に送り届けたあとに交通事故に遭遇。旧姓硬膜下血腫で脳死状態となるが、彼は臓器提供意思表示カードを持っており全ての臓器提供を望んでいた。

しかし「腎臓は妻にあげてください」と書かれており「親族優先提供」のルールに則り妻への移植が可能だった。

ところが亜季には秘密があった。二人は先月結婚したばかりで、まだ婚姻届を提出していなかったのだ。事実婚のような立場では「親族優先提供」の適用にならない。

息子の希望が敵わないと知って父、丈雄(中原丈雄)は激怒。一度は納得した臓器移植を撤回すると言い出す。

第2話

ある日、6才の健(藤本哉汰)が自宅のベランダから転落。一命は取り留めたものの脳の腫れがひかずこのまま回復しなければ脳死になる可能性が高かった。

当初は、ベランダから誤って落ちたものと見られていたが虐待の可能性も捨てきれなかった。なぜならベランダの窓に締め出されたような手の跡があったり、肋骨も折れて自然治癒した形跡があったから。

その頃、病院関係者は浮足だっていた。仮に健が脳死と判定されれば、臓器移植法が改正されてから初の15才以下のドナーが誕生するからだ。

一方、母親が脳死状態で、ただ一人の身内だという智恵(木南晴夏)は、ろくにコーディネーターの說明も聞かず、さっさと臓器提供の同意書にサインするのだが・・・。

第3話

6才の健(藤本哉汰)は治療の甲斐もなく脳死状態に陥る。

刑事たちは相変わらず虐待の証拠をつかもうと必死だったが、何も得られないまま脳死判定が下され、国内初の15才以下のドナー誕生にマスコミは浮足だっていた。

臓器移植ネットワークの移植待機リストによると、心臓は拡張型心筋症で4年間も入院している、立花海斗(木村星哉)に提供されるはずだったが、なぜかリスト2番目の6才女児に移植されるという。

そんな矢先、健の母親、由比(木村佳乃)が、スーパーで健に虐待している様子が防犯カメラに写っていたことが判明。

その頃病院では、健の臓器摘出手術がまさに始められようとしてた。

第4話

健の母親、由比(木村佳乃)が虐待の事実を認めたため移植は中止になった。

実は健(藤本哉汰)の心臓は、病院と癒着している斎藤製薬会長(橋爪功)が金を使って移植リストの順番を操作し、拡張型心筋症の自分の孫娘に移植させようと企んでいたのだ。

日本での移植をあきらめた斎藤は闇の臓器売買に頼り、孫娘を連れて海外へと旅立つ。

その頃日本では、週刊ヘッドライン記者、加奈子(板谷由夏)が、順番をごまかされて後回しにされた海斗の母、美樹(麻生祐未)に、斎藤と病院長(平田満)を訴えようとけしかけるのだが・・・。

第5話

倉本(ユースケ・サンタマリア)の一人息子、まこと(鈴木福)が、学校帰りに交通事故に巻き込まれて救急搬送された。

心配して大野(吉岡秀隆)がかけつけるも、その姿を見てギョッとする倉本。「移植コーディネータ」が来るということは、必ずそこに「死」があるからだ。

家族の祈りも虚しく、まことの意識は戻らず脳死が認定される。倉本はいつも通りクールに「ドナーになります」と申し出る。

マスコミはこの事実を「子供の死をもって移植に一役買った」などと面白おかしく書き立て、世論からも誹謗中傷の嵐に、普段冷静な倉本も、ドナーになる親の気持ちをひしひしと感じていた。

まことの心臓は、マスコミの見守る中、ドクターヘリで立花海斗(木村星哉)の元へ飛び立とうとしていた。そこに走って駆け寄る倉本。

倉本はまことの心臓が入ったクーラーボックスを持って姿を消してしまう・・・。

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移植医療の歴史

ドラマ「移植コーディネーター」
1963アメリカ、スターツル博士による世界初の肝臓移植
1967南アフリカ、バーナード博士による世界初の心臓移植
1968日本で最初の心臓移植(通称:和田移植)
1980「角膜と腎臓の移植に関する法律」施行
※あくまでも心停止による
1989日本初の生体部分肝移植(島根医科大学)
1997「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」
※脳死判定による
2008国際移植学会におけるイスタンブール宣言
※移植が必要な患者の命は自国で救う努力をすること
2010改正臓器移植法全面施行
参照:日本臓器移植ネットワーク、日本肝移植学会

日本で最初に心臓移植が行われたのが1968年。その後、脳死移植を認める「臓器移植法」が施行されたのが1997年。この「空白の30年」の間に救えなかった多くの命があったことは言うまでもありません。

1989年には、脳死肝移植ができないための苦肉の策として、島根医科大学にて胆道閉鎖症の1歳男児に初の「生体肝移植」が行われ、何度も拒絶反応から立ち直ったものの285日目に死亡。

2005年までは積極的に行われていましたが、臓器移植法が成立したこともあり現在は減少傾向にあります。

改正臓器移植法とは

1997年10月16日の「臓器移植法」により、脳死下の臓器提供が可能になりましたが、この時点では本人の書面による意思表示と家族の承諾が必要でした。

また、この意思表示は民法上の遺言可能年齢に準じて15歳以上を有効としていたため、15歳未満の臓器提供はできませんでした。

つまり、心臓移植や肺移植を待つ子供たちは国内では移植ができないため、多額の募金を集めるなどして、海外で臓器移植をする子どもが後を絶ちませんでした。

その後、2008年の国際移植学会によるイスタンブール宣言が国内の臓器移植の後押しになり、2010年7月17日「改正臓器移植法」が全面施行。

本人の意思がわからなくても家族の承諾があれば脳死下の臓器提供ができるようになりました。

よって15歳未満であっても脳死下の臓器提供が可能となり、国内で移植する道が開かれました。

また、臓器提供の意思に併せて親族に優先的に提供できる「親族優先提供」も2010年1月17日に施行されています。

参考文献:日本臓器移植ネットワーク

\ 脳死肝移植をテーマにしたドラマ /
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最後に

最後に、実際にお父様の臓器を提供した娘さんの言葉をご紹介したいと思います。

ある日突然お父様が「脳死」と告げられ、悲しみの中でも最後までお父様の意思を尊重し「生きた証」を残したいと決心したお嬢様。

私が思うに、「ドナーになることでたくさんの命が救われる」のはもちろんですが、「誰かの役に立つために生まれてきた」その人の人生そのものが救われるような気がしてなりません。

このドラマで起きていることは決して他人事ではありません。亡くなるまでがその方の人生ではなく、その後もずっと生き続けることのできる移植医療。

是非、ご視聴ください。

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